神鋼商事は22年3月期3Q累計大幅増益、配当予想を上方修正

(決算速報)
 神鋼商事<8075>(東1、新市場区分プライム)は1月28日の取引時間中に22年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。取扱数量増加や価格上昇などで大幅増益だった。不透明感を考慮して通期連結業績予想を据え置いたが、利益予想は3回目の上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。なお配当予想は上方修正(2回目)した。株価は大幅増益や配当予想の上方修正を評価して急伸している。そして21年10月の昨年来高値に接近している。上値を試す展開を期待したい。

■22年3月期3Q累計大幅増益、通期利益予想は3回目の上振れの可能性

 22年3月期第3四半期累計連結業績(収益認識基準適用のため売上高の前期比増減率は非記載)は、売上高が3512億64百万円、営業利益が前年同期比2.6倍の73億53百万円、経常利益が3.1倍の72億21百万円、親会社株主帰属四半期純利益が3.8倍の56億09百万円だった。需要回復に伴う取扱数量増加や価格上昇などで大幅増益だった。なお収益認識基準適用の影響額として、売上高と売上原価がそれぞれ5億79百万円増加している。

 営業外収益では持分法投資利益が3億50百万円増加、営業外費用では売掛債権譲渡損が2億41百万円増加、為替差損が1億49百万円減少、特別利益では負ののれん発生益1億83百万円を計上、投資有価証券売却益が6億54百万円減少、特別損失では投資有価証券評価損が4億57百万円減少した。

 セグメント別利益(経常利益)は、鉄鋼が国内需要回復による取扱数量増加や価格上昇で11.1倍の29億59百万円、鉄鋼原料が神戸製鋼所向けの取扱数量増加や価格上昇で81.7%増の3億47百万円、非鉄金属が銅製品・アルミ製品の取扱い数量増加で2.9倍の27億89百万円、機械・情報が建機部品・電子機材用部材や工事の増加で5.4%増の9億80百万円、溶材が建築・建機・造船・自動車向けの好調で4.7倍の1億97百万円だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が1139億44百万円で経常利益が23億26百万円、第2四半期は売上高が1102億32百万円で経常利益が24億80百万円、第3四半期は売上高が1270億88百万円で経常利益が26億58百万円だった。

 通期連結業績予想(21年7月30日に上方修正、21年10月29日に売上高を下方修正、利益を2回目の上方修正)は据え置いて、売上高が4590億円、営業利益が21年3月期比93.1%増の86億円、経常利益が2.0倍の82億円、親会社株主帰属当期純利益が2.9倍の64億円としている。

 セグメント別利益(経常利益)の計画は、鉄鋼が30億円増加の36億円、鉄鋼原料が1億円増加の4億円、非鉄金属が9億円増加の28億円、機械・情報が1億円減少の11億円、溶材が2億円増加の3億円としている。

 配当予想(7月30日に第2四半期末35円、期末35円、合計70円上方修正)は、期末50円上方修正(2回目)して21年3月期比170円増配の220円(第2四半期末85円、期末135円)とした。

 新型コロナウイルス感染症再拡大や半導体不足などによる不透明感を考慮して通期連結業績予想を据え置いたが、第3四半期累計の進捗率は売上高76.5%、営業利益85.5%、経常利益88.1%、純利益87.6%と高水準である。通期利益予想は3回目の上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は大幅増益や配当予想の上方修正を評価して急伸している。そして21年10月の昨年来高値に接近している。上値を試す展開を期待したい。1月28日の終値は3475円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS722円77銭で算出)は約5倍、そして時価総額は約308億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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