京写の22年3月期3Q累計は通期利益予想を超過達成

(決算速報)
 京写<6837>(JQ、新市場区分スタンダード)は1月28日の取引時間終了後に22年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。自動車関連などの需要が回復して大幅増収・黒字転換した。そして通期の利益予想を超過達成した。コロナ禍や半導体不足による自動車減産の動きなど不透明感を考慮して通期予想を据え置いたが、再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化の影響で戻り高値圏から反落したが大きく下押す動きも見られない。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■22年3月期3Q累計大幅増収・黒字転換、通期予想は再上振れの可能性

 22年3月期第3四半期累計の連結業績は、自動車関連などの需要が回復して売上高が前年同期比26.2%増の157億93百万円、営業利益が4億58百万円の黒字(前年同期は72百万円の赤字)、経常利益が4億90百万円の黒字(同59百万円の赤字)、親会社株主帰属四半期純利益が2億66百万円の黒字(同2億61百万円の赤字)だった。なお前年同期には過年度法人税等1億74百万円を計上している。

 売上面は、実装関連事業が期前半に航空機向けの受注が低迷した影響でやや低調だが、主力のプリント配線板事業において国内外で自動車関連、事務機関連、家電製品関連の需要が回復基調となって大幅増収だった。なお今期からベトナム新工場の売上を計上している。利益面では、ベトナム子会社の生産開始に伴って減価償却費等の固定費が増加したが、増収効果や生産性向上施策などの効果で吸収し、各利益は黒字転換した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が48億71百万円で営業利益が84百万円、第2四半期は売上高が53億15百万円で営業利益が1億66百万円、第3四半期は売上高が56億07百万円で営業利益が2億08百万円だった。四半期別に見ても回復基調である。

 通期連結業績予想(21年10月29日に上方修正)は据え置いて、売上高が21年3月期比18.3%増の205億円、営業利益が4.6倍の4億50百万円、経常利益が2.8倍の4億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が2億60百万円の黒字(21年3月期は1億35百万円の赤字)としている。配当予想も据え置いて5円(期末一括)(21年3月期は無配)としている。

 新型コロナウイルス感染症の再拡大や世界的な半導体不足による自動車等の減産、原材料価格の高騰などの影響など、先行きの不透明感を考慮して通期予想を据え置いた。ただし第3四半期累計の各利益は通期予想を超過達成している。通期予想は再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は地合い悪化の影響で戻り高値圏から反落したが大きく下押す動きも見られない。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。1月28日の終値は400円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS18円14銭で算出)は約22倍、時価総額は約58億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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