ジェイテックは22年3月期3Q累計経常大幅増益、通期予想据え置き

(決算速報)
 ジェイテック<2479>(JQ、新市場区分グロース)は1月31日の取引時間終了後に22年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。コロナ禍で新卒テクノロジストの稼働開始が遅れたため営業赤字が拡大したが、営業外収益に助成金収入を計上して経常利益と親会社株主帰属四半期純利益は大幅増益だった。第3四半期に営業黒字化しており、通期予想に上振れ余地がありそうだ。さらに積極的な人材採用などで23年3月期の収益回復を期待したい。株価は地合い悪化の影響で昨年来安値に接近する画面があったが、その後は反発の動きを強めている。22年3月期の収益悪化予想の織り込み完了して出直りを期待したい。

■22年3月期3Q累計経常増益、通期予想据え置きだが上振れ余地

 22年3月期第3四半期累計の連結業績(収益認識基準適用だが影響軽微)は、売上高が前年同期比7.2%増の22億09百万円、営業利益が1億10百万円の赤字(前年同期は44百万円の赤字)、経常利益が94.8%増の90百万円、親会社株主帰属四半期純利益が8.4倍の51百万円だった。

 技術職知財リース事業のテクノロジストの人数・労働工数の増加などで増収だが、コロナ禍で新卒テクノロジストの稼働開始が当初計画よりも遅れたため、人件費負担や教育費用などで営業利益の赤字が拡大した。ただし経常利益と親会社株主帰属四半期純利益は、営業外収益の助成金収入が増加(前期87百万円計上、今期1億73百万円計上)したため大幅増益だった。

 技術職知財リース事業は、売上高が8.3%増の21億84百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が29.8%減の1億60百万円だった。一般派遣およびエンジニア派遣事業は、売上高が45.1%減の24百万円で利益が15百万円の赤字(前年同期は16百万円の赤字)だった。コロナ禍で住宅展示場等におけるプラカード案内業務が前期以上に長く休止した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が7億01百万円で営業利益が80百万円の赤字、第2四半期は売上高が7億26百万円で営業利益が50百万円の赤字、第3四半期は売上高が7億82百万円で営業利益が20百万円の黒字だった。第3四半期は営業黒字に転換した。

 新卒テクノロジスト稼働開始が後倒しとなったため、通期の売上高・営業利益予想を下方修正した。従来予想に対して売上高は4億58百万円、営業利益は1億79百万円、それぞれ下回る見込みだ。なお雇用調整助成金収入などで経常利益は18百万円、親会社株主帰属当期純利益は13百万円、それぞれ従来予想を上回る見込みだ。

 通期連結業績予想(21年10月29日に下方修正)は据え置いて、売上高が21年3月期比7.4%増の29億77百万円、営業利益が1億69百万円の赤字(21年3月期は56百万円の赤字)、経常利益が41.6%減の46百万円、親会社株主帰属当期純利益が53.1%減の19百万円としている。配当予想も据え置いて21年3月期と同額の1円(期末一括)としている。

 コロナ過で不透明感の強い状況だが、第3四半期に営業黒字化しており、第3四半期累計の経常利益と親会社株主帰属四半期純利益が通期予想を超過達成していることも勘案すれば、通期予想に上振れ余地がありそうだ。さらに積極的な人材採用などで23年3月期の収益回復を期待したい。

■株価は反発の動き

 株価は地合い悪化の影響で昨年来安値に接近する画面があったが、その後は反発の動きを強めている。22年3月期の収益悪化予想の織り込み完了して出直りを期待したい。1月31日の終値は180円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS2円40銭で算出)は約75倍、時価総額は約15億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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