ヤマシタヘルスケアホールディングス、積極投資で未来の収益源育成、人的資本と研究開発強化が成長基盤に
- 2025/10/1 07:11
- 決算発表記事情報

(決算速報)
ヤマシタヘルスケアホールディングス<9265>(東証スタンダード)は、9月30日に26年5月期第1四半期連結業績を発表した。医療機関の設備投資減少の影響で小幅減収となったことに加え、人件費の増加、子会社マイクロソニックにおける研究開発費の増加などで大幅減益だった。通期予想は据え置いて、人件費の増加や物流センターリニューアルに係る費用の計上などで減益予想としている。第1四半期の進捗率は低水準だが、第2四半期以降の挽回を期待したい。株価は最高値圏だ。目先的には第1四半期業績を嫌気する動きが優勢になりそうだが、1倍割れの低PBRが支援材料であり下値限定的だろう。
■26年5月期1Q減益、通期減益予想据え置き
26年5月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比0.7%減の150億78百万円、営業利益が79.6%減の36百万円、経常利益が64.9%減の67百万円、親会社株主帰属四半期純利益が2百万円の損失(前年同期は83百万円)だった。医療機関の設備投資減少の影響で医療機器販売業が小幅減収となったことに加え、人件費の増加、子会社マイクロソニックにおける研究開発費の増加などで大幅減益だった。
医療機器販売業は売上高が0.6%減の150億90百万円、営業利益(全社費用等調整前)が20.1%減の3億57百万円だった。売上高の内訳は、一般機器分野(一般医療機器備品、放射線診断装置等)が15.0%減の15億87百万円、一般消耗品分野(汎用消耗品、手術関連消耗品等)が3.1%増の64億95百万円、低侵襲治療分野(内視鏡・サージカル備品等)が1.4%減の34億76百万円、専門分野(眼科、整形外科透析等)が0.4%増の31億76百万円、情報・サービス分野(電子カルテシステム、設備保守メンテナンス等)が10.8%増の3億55百万円だった。一般消耗品分野は堅調だったが、医療機関の設備投資減少の影響で一般機器分野が低調だった。
医療機器製造・販売業(整形外科用インプラント製造・販売、超音波を用いた医療用機器の開発・販売等)は、売上高が7.1%減の54百万円で営業利益が63百万円の損失(前期は0百万円の損失)だった。医療モール事業(賃料収入)は売上高が8.9%増の17百万円で営業利益が929.2%増の1百万円だった。
通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が前期比4.9%増の676億47百万円、営業利益が29.6%減の5億90百万円、経常利益が30.5%減の6億32百万円、親会社株主帰属当期純利益が42.6%減の3億54百万円としている。配当予想は前期比5円減配の70円(期末一括)としている。予想配当性向は49.0%となる。
需要が堅調に推移して増収だが、人的資本投資に係る人件費関連コストの増加、山下医科器械の物流センターリニューアルに係る費用の計上、マイクロソニックにおいて開発中の超音波画像診断装置「ブラストスキャン」に係る研究開発費の計上などで減益予想としている。第1四半期の進捗率は売上高22.3%、営業利益6.1%、経常利益10.6%と低水準だが、第2四半期以降の挽回を期待したい。
■株価は最高値圏
株価は最高値圏だ。目先的には第1四半期の減益を嫌気する動きが優勢になりそうだが、1倍割れの低PBRが支援材料であり下値限定的だろう。9月30日の終値は3270円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS143円58銭で算出)は約23倍、今期予想配当利回り(会社予想の70円で算出)は約2.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3640円22銭で算出)は約0.9倍、そして時価総額は約83億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)