ファンデリーは22年3月期3Q累計営業黒字転換

(決算速報)
 ファンデリー<3137>(東マ、新市場区分グロース)は1月31日の取引時間終了後に22年3月期第3四半期累計業績(非連結)を発表した。MFD事業の低迷の影響で売上高は小幅増収にとどまったが、CID事業の増収に伴う損益改善や販管費の抑制などで営業利益が黒字転換し、経常利益と四半期純利益は赤字が縮小した。そして通期黒字予想を据え置いた。積極的な事業展開で収益回復基調を期待したい。株価は地合い悪化も影響して上場来安値を更新する展開だがほぼ底値圏だろう。売り一巡して出直りを期待したい。

■22年3月期3Q累計営業黒字転換、通期黒字予想据え置き

 22年3月期第3四半期累計の業績(非連結)は、売上高が前年同期比2.8%増の24億01百万円、営業利益が24百万円の黒字(前年同期は1億21百万円の赤字)、経常利益が1百万円の赤字(同1億26百万円の赤字)、四半期純利益が2百万円の赤字(同1億15百万円の赤字)だった。

 MFD事業の低迷の影響で売上高は小幅増収にとどまったが、CID事業の増収に伴う損益改善や販管費の抑制などで営業利益が黒字転換し、経常利益と四半期純利益は赤字が縮小した。

 MFD事業は売上高が8.5%減の18億93百万円で営業利益(全社費用等調整前)が15.2%減の4億15百万円だった。コロナ禍に伴う入院・外来患者減少や営業制限などで病院等の紹介ネットワーク経由の新規顧客数が微増だった。新規顧客数は第1四半期が2744人、第2四半期が2437人、第3四半期が2722人だった。

 CID事業は売上高が2億02百万円(前年同期は12百万円)で営業利益が3億58百万円の赤字(同5億47百万円の赤字)だった。積極的なプロモーション効果で認知度が向上し、新規顧客獲得および販売数が大幅伸長した。利益面は依然として損益分岐点に達していないため赤字継続だが、前年同期に比べて赤字幅が縮小した。なお新規顧客数は、21年3月期第3四半期が956人、第4四半期が1193人、22年3月期第1四半期が5820人、第2四半期が1万2264人、第3四半期が1664人となった。一定の認知度獲得できたため、定期会員の顧客を伸ばすフェーズに入ったとしている。

 マーケティング事業は広告売上が順調に伸長し、複数の業務受託案件の積み上げで売上高が20.8%増の3億06百万円、営業利益が23.9%増の2億22百万円だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が7億88百万円で営業利益が13百万円の赤字、第2四半期は売上高が8億10百万円で営業利益が31百万円の黒字、第3四半期は売上高が8億03百万円で営業利益が6百万円の黒字だった。

 通期の業績(非連結)予想は据え置いて、売上高が21年3月期比26.5%増の38億74百万円で、営業利益が1億円の黒字(21年3月期は5億53百万円の赤字)、経常利益が92百万円の黒字(同5億59百万円の赤字)、当期純利益が68百万円の黒字(同3億74百万円の赤字)としている。配当予想は21年3月期と同額の3円(期末一括)である。

 セグメント別の計画は、MFD事業の売上高が30億63百万円で営業利益が6億48百万円、CID事業の売上高が2億61百万円で営業利益が6億円の赤字、マーケティング事業の売上高が5億50百万円で営業利益が4億12百万円としている。

 通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は低水準の形だが、CID事業の進捗率が順調であり、マーケティング事業では下期に大型案件を見込んでいる。事業環境の好転や積極的な事業展開で収益回復基調を期待したい。

■株価は底値圏

 株価は地合い悪化も影響して上場来安値を更新する展開だがほぼ底値圏だろう。売り一巡して出直りを期待したい。1月31日の終値は361円、今期予想PER(会社予想のEPS10円83銭で算出)は約33倍、時価総額は約21億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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