インテージホールディングスは22年6月期通期予想を上方修正

(決算速報)
 インテージホールディングス<4326>(東1、新市場区分プライム)は2月7日の取引時間終了後に22年6月期第2四半期累計連結業績を発表した。主力のパネル調査が好調に推移して計画を上回る大幅増益だった。通期予想は上方修正して、従来の減益予想から増益予想に転じた。さらに成長投資を吸収して再上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化の影響を受ける場面があったが、調整一巡して反発の動きを強めている。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■22年6月期2Q累計が計画を上回る大幅増益で通期予想を上方修正

 22年6月期第2四半期累計連結業績(収益認識基準適用だが影響軽微)は、売上高が前年同期比6.6%増の291億31百万円、営業利益が39.8%増の26億34百万円、経常利益が20.5%増の27億16百万円、親会社株主帰属四半期純利益が17.3%増の18億91百万円だった。なお収益認識基準適用の影響額として売上高が5百万円減少、売上原価が6百万円減少、営業利益、経常利益、税金等調整前四半期純利益がそれぞれ1百万円増加している。

 従来予想に対して売上高は1億31百万円、営業利益は9億34百万円、経常利益は9億66百万円、親会社株主帰属四半期純利益は5億91百万円それぞれ上回り、減益予想から一転して大幅増益で着地した。主力のパネル調査が好調に推移し、国内外でカスタムリサーチのオンラインシフトが進展した。CRO(医薬品開発業務受託機関)の製造販売後調査における大型案件獲得と効率化促進、コロナ影響や半導体不足に伴う経費計画進捗遅れなども寄与した。

 マーケティング支援(消費財・サービス)事業は、売上高が11.6%増の181億67百万円で営業利益が109.9%増の11億55百万円だった。コロナ禍で停滞していた顧客のマーケティング活動が回復基調となり、主力のパネル調査やカスタムリサーチが好調に推移した。海外もオンライン調査を主業務とするデータスプリング社が好調だった。

 マーケティング支援(ヘルスケア)事業は、売上高が2.0%増の75億06百万円で営業利益が4.1%増の13億04百万円だった。リサーチ事業がリソース再配置の影響で前年を下回ったが、CROは事業全体の抜本的な改善の取り組みで収益性が改善し、データサイエンス事業は臨床開発業務の稼働率が高水準で推移した。

 ビジネスインテリジェンス事業は、売上高が6.3%減の34億57百万円で営業利益が113.5%増の1億74百万円だった。コロナ禍の影響で減収だが、原価低減や経費削減で収益性が改善した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が138億04百万円で営業利益が8億82百万円、第2四半期は売上高が153億27百万円で営業利益が17億52百万円だった。

 通期連結業績予想(2月7日付で上方修正)は、売上高が21年6月期比5.6%増の608億円、営業利益が4.0%増の46億円、経常利益が2.3%増の52億円、親会社株主帰属当期純利益が6.8%増の36億円としている。配当予想は据え置いて21年6月期と同額の35円(期末一括)である。

 第2四半期累計が計画を上回ったため通期連結業績予想を上方修正した。従来予想に対して売上高を3億円、営業利益を12億円、経常利益を12億円、親会社株主帰属当期純利益を8億円、それぞれ上方修正して、従来の減益予想から増益予想に転じた。一部経費の下期への移行等も考慮した。

 修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が47.9%、営業利益が57.3%、経常利益が52.2%、親会社株主帰属当期純利益が52.5%である。利益進捗率が高水準であり、さらに成長投資を吸収して再上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は地合い悪化の影響を受ける場面があったが、調整一巡して反発の動きを強めている。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。2月7日の終値は1861円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS90円88銭で算出)は約20倍、時価総額は約752億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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