LibWorkは建築資材価格高騰で22年6月期増益幅縮小見込みだが、収益拡大基調に変化なし

(決算速報)

LibWork<1431>(東証グロース)は、5月12日の取引時間終了後に22年6月期第3四半期累計連結業績を発表した。戸建引き渡しが順調に推移して大幅増収増益だった。通期予想については建築資材価格高騰の影響で下方修正し、前回予想に対して増益幅が縮小する見込みとした。ただし収益拡大基調に変化はないだろう。株価は地合い悪化も影響して年初来安値圏でモミ合う形だ。目先的には下方修正を嫌気する動きが優勢になる可能性がありそうだが下値限定的だろう。

■22年6月期3Q累計大幅増益、通期は増益幅縮小見込み

 22年6月期第3四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比47.0%増の86億07百万円、営業利益が81.8%増の1億82百万円、経常利益が27.3%増の2億04百万円、親会社株主帰属四半期純利益が48.3%増の1億05百万円だった。なお収益認識会計基準適用だが損益への影響はなかった。

 建築資材価格高騰の影響で売上総利益率が目標を下回ったが、戸建引き渡しが順調に推移して大幅増収増益だった。売上高は第3四半期累計として過去最高だった。強みとするデジタルマーケティングの促進などで、21年7月~22年3月(速報ベース)の受注棟数は8%増、受注金額は27%増と好調だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高19億55百万円で営業利益2億22百万円の赤字、第2四半期は売上高45億87百万円で営業利益が5億11百万円、第3四半期は売上高20億83百万円で営業利益1億07百万円の赤字だった。戸建住宅の引き渡し時期の関係で、業績は第2四半期(10月~12月)と第4四半期(4月~6月)に偏重する収益特性がある。

 通期の連結業績予想については5月12日付で下方修正して、売上高が21年6月期比45.7%増の137億円、営業利益が35.5%増の6億60百万円、経常利益が20.1%増の7億円、親会社株主帰属当期純利益が24.7%増の4億20百万円とした。

 建築資材価格高騰の影響で第3四半期累計の売上総利益率が目標を下回ったため通期予想を下方修正した。また中長期的な費用負担軽減の観点から退職一時金制度を廃止するため、制度清算に係る一時費用を特別損失に計上する予定だ。

 ただし売上総利益率は第4四半期から改善に向かう見込みとしている。前回予想に対して増益幅が縮小する見込みとしたが収益拡大基調に変化はないだろう。配当予想(四半期配当)は据え置いて年間5円80銭としている。株式分割(20年10月1日付株式2分割、21年4月1日付株式2分割)換算後で21年6月期は4.575円だった。

■株価は下値限定的

 株価は地合い悪化も影響して年初来安値圏でモミ合う形だ。目先的には下方修正を嫌気する動きが優勢になる可能性がありそうだが下値限定的だろう。5月12日の終値は720円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS18円76銭で算出)は約38倍、時価総額は約168億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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