【株式評論家の視点】sMedioはIoTのテーマに乗る、今期営業利益9.3%増益

株式評論家の視点

sMedio<3913>(東マ)は、本年3月27日に東京証券取引所マザーズ市場に上場。めざましいスピードで進化するパーソナルコンピューターとポータブル機器に対して最先端のソフトウエアを高い競争力で提供することを目的に設立。この分野の開発と製品化において世界をリードする日本に本社を置く同社は、開発拠点を上海におき、開発スピードと競争力の強化に注力している。単に日本企業でなく、アジアから世界市場に製品とサービスを提供するアジア企業としてユニークな企業体系をとっており、「開発はアジアで市場は世界へ」を目指して2007年の設立以来マルチメディア系のソフトウエアの開発を進めている。現在までブルーレイプレイヤー、デジタルTV、ホームネットワーク、リモートアクセス関連の開発において成果をあげており、今後はこれらの成果をベースに携帯機器やPC等のスマートデバイス向けマルチメディアソフトウエアとネットワークの分野に活動領域を広げている。

今2015年12月期第2四半期業績予想は、売上高が5億7000万円、営業利益が1億3500万円、経常利益が1億1900万円、純利益が8100万円を見込んでいる。

通期業績予想は、売上高が12億2800万円(前期比25.3%増)、営業利益が3億1600万円(同59.3%増)、経常利益が3億0100万円(同1.0%減)、純利益が1億9600万円(同3.4%減)を見込んでいる。

昨年度の3月にWindows XPのサポート停止に伴う需要の先食いによるPC出荷台数の減少も今2015年12月期第第1四半期は回復基調が見られはじめており、同社の業績も概ね好調。特に北米での売上が大きく貢献し、第1四半期売上高は3億3900万円と昨年のいずれの四半期と比較しても最高売上を記録しており、業績は順調に推移している。

株価は、6月8日に上場来の高値5750円と買われた後、7月9日安値3515円と調整を挟んで上昇。3500円どころを再度下値として意識された感がある。7月15日にIoTサービスの提供やIoT製品の開発・販売を行う子会社「ブイログ」を設立すると発表。「ブイログ」にはsMedioが78.6%出資するほか、コンシューマー向けのビジネスと技術分野に深く精通している西本雅一氏が14.3%、菊池正和氏が7.1%出資し設立するが、国内外における既存事業とIoT事業の積極的な展開により、さらなる企業価値向上を目指すとしており、今後の展開が期待される。IoTのテーマに乗っており、上値の抵抗線の25日移動平均線を突破出来るか注目したい。(株式評論家・信濃川)

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