【注目銘柄】コニシは連続の最高純利益更新と増配を手掛かりに割安株買いが再燃

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 コニシ<4956>(東証プライム)の今2023年3月期の純利益は、連続して過去最高更新と見込まれ、配当も連続増配が予定されていることを手掛かりに割安株買いが再燃している。テクニカル的にも、このまま上値を追い3月末の戻り高値1703円を上抜くと、3月8日につけた年初来安値1440円と4月28日の1449円とでダブルボトム形成となり、足元で25日移動平均線が75日移動平均線と同値となりゴールデンクロス(GC)示現となることから底上げ加速につながるとして側面支援材料視されている。

■車載電子部品、放熱封止部品向けが続伸し固定資産売却益もオン

 同社の今2023年3月期業績は、売り上げ1220億円(前期比7.3%増)、営業利益69億5000万円(同4.8%減)、経常利益72億5000万円(同7.5%減)、純利益96億円(同86.9%増)と増減マチマチと予想されている。売り上げは、接着剤からシーリング材まで展開しているボンド製品が、住宅建設向けのシーリング材、自動車向けの車載電子部品商材、電機電子向けの放熱封止商材などとして需要を拡大させ続伸するが、営業利益、経常利益は原材料価格の一段の上昇、物流費の高騰などから保守的に減益転換と見込んだ。純利益は、固定資産売却益71億7600万円を計上することから大幅続伸し、前期に続き過去最高となる。なお原材料価格・輸送費上昇のコストアップに対応して同社は、昨年9月から製品価格の価格改定を進めており、今年2月21日からもボンド製品の15%以上の値上げを実施している。

 配当は、前期業績を上方修正したことに伴い前期配当を年間44円(前々期実績40円)に増配したが、今期は、中間配当にボンド発売70周年の記念配当5円を上乗せして27円とし、年間配当も49円への連続増配を予定している。

■ダブルボトム確認でPER5倍、PBR0.8倍の割安修正に弾み

 株価は、昨年9月の前期業績の上方修正で1911円高値をつけ、1700円台出没場面を続けてきたが、今年3月にロシアのウクライナへの軍事侵攻による世界同時株安のなか年初来安値1440円まで売られ、いったん1703円と戻し1700円台にタッチしたものの、今期業績の増減益マチマチ予想で1449円まで再調整し、売られ過ぎとしてリバウンド途上にある。1400円台のダブルボトムは、ネックラインとなっている戻り高値1703円を上抜けば確認できることになる。ファンダメンタルズ的にもPERは5.97倍、PBRは0.83倍、配当利回りも3.04%と割安であり、上昇トレンド転換を示唆するGC示現もサポートして戻り高値更新から年初来高値1769円を上抜き、昨年9月高値1911円奪回を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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