【注目銘柄】鈴茂器工は連続最高純益をテコに株式分割の権利取り妙味

 鈴茂器工<6405>(東証スタンダード)は、今年7月31日を基準日に1対2の株式分割を予定しており、今2023年3月期業績が続伸し、純利益が連続して過去最高更新と予想され、配当も連続増配を予定していることと合わせて、権利取りの押し目買い好機となりそうだ。テクニカル的にも25日移動平均線が、75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド入りを示唆し、この日の急反落でもこのトレンドに変化はなく、サポート材料になると期待される。

■寿司ロボット需要が国内外で拡大し飯盛付けロボットも上乗せ

 株式分割は、同社株式の流動性の向上と投資家層の拡大を目的にしており、7月31日を基準日に1株を2株に分割する。今2023年3月期の年間配当も、前期に株主還元方針を変更して総還元性向を30%以上としたことから62円(前期実績40円)の大幅増配を予定しており、株式分割の権利落ち後は年間31円とする。

 一方、今2023年3月期業績は、前期業績が今年2月の上方修正値をやや下ぶれて着地したものの、4期ぶりに純利益が過去最高を更新した流れを受け、売り上げ130億円(前期比12.4%増)、営業利益18億円(同18.6%増)、経常利益18億円(同16.6%増)、純利益13億1500万円(同22.9%増)と連続の2ケタ増収増益を見込み、純利益は連続して過去最高を更新する。新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的な感染爆発)のなか国内、海外ともテイクアウト、デリバリー向けの寿司ロボットが、大手回転すしチェーンやスーパーマーケットへ導入されて大きく伸び、アフターコロナでも、外食・小売業での人手不足で省人化需要が続き、ホテル、旅館、社員食堂、病院向けに飯盛付けロボット「Fuwarica」が拡大、昨年9月に子会社化した日本システムプロジェクトの配膳ロボットなどもフル寄与することが要因となる。

■権利取りの値幅効果でPER11倍、PBR1.1倍の割安修正が加速

 株価は、今年2月の前期業績の上方修正・配当増配で2031円とストップ高するなど2199円まで買われ、ロシアのウクライナへの軍事侵攻による世界同時株安の波及で1912円へ調整したが、期末の配当権利取りなどで2425円高値まで買い直された。配当権利落ち後安値1913円からは前期業績が上方修正値をやや下ぶれて着地し売り買いが交錯する場面もあったが、株式分割発表とともに権利取りの買い物が増勢となって年初来高値2498円まで上値を伸ばした。PERは11.64倍、PBRは1.15倍となお割安であり、権利取りで値幅効果も期待され、年初来高値を通過点に2018年3月高値2730円を目指し、上場来高値3085円も意識されよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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