【注目銘柄】アオイ電子は業績再々上方修正、V字回復を見直し売られ過ぎを修正買い

注目銘柄

 アオイ電子<6832>(東証スタンダード)は、3月31日につけた配当権利落ち後の年初来安値1979円からの底上げを窺っている。同社株は、目下集計中の2022年3月期業績の3回目の上方修正を今年4月1日に発表しており、これを見直し今年5月11日の決算発表時に開示される次期2023年3月期業績への期待を高め売られ過ぎ修正買いが再燃した。株価自体も、2020年8月以来の安値水準となっているが、この2000円出没場面は2020年にほぼ1年間を掛けて固めており、下値信頼性が強いとして買い手掛かり視されている。

■世界的な半導体需要拡大で生産量が増加しスケールメリット

 同社の2022年3月期業績は、昨年7月、10月、今年4月と3回上方修正され売り上げ433億円(前期比7.5%増)、営業利益32億5000万円(同2.41倍)、経常利益39億円(同2.49倍)、純利益26億2000万円(同2.48倍)とV字回復を鮮明化させる。期初予想に比べ売り上げは38億円、営業利益は倍強の16億5000万円、経常利益も23億円、純利益は15億2000万円それぞれ上ぶれて着地することになり、市場コンセンサスを2億円~3億円上回る。

 5G関連の携帯情報端末やデジタル機器・産業機器向けなどに世界的に半導体需要が拡大しており、集積回路の生産量が増加し、このスケールメリットに加え自動化による生産効率化、為替差益、助成金収入などが上乗せとなったことが寄与した。続く次期2023年3月期業績の動向は、5月11日の決算発表時の業績ガイダンスを待たなければならないが、ウクライナ情勢の地政学リスクやコロナ禍にもかかわらず半導体需要そのものは旺盛であり、続伸が有力視されている。

■上値抵抗線の25日線を突破してPER9倍、PBR0.4倍の修正に弾み

 株価は、今年1月の年初来高値2612円から第3四半期(2021年4月~12月期、3Q)決算発表時に昨年10月の業績再上方修正の再々修正がなかったと失望して調整一方となり、期末の配当権利取りで2196円までリバウンドしたものの、配当権利落ちで年初来安値1979円へ突っ込んだ。同安値からは、業績の再々上方修正とともに2088円と急伸したもののほぼ往って来いとなった。PERは9.28倍、PBR0.48倍と売られ過ぎを示唆しており、上値抵抗線となっている25日移動線突破にチャレンジし、年初来高値を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■AI機能強化でさらに便利に!Siriの進化とChatGPT統合で作業効率向上  Appleは3月…
  2. ■ChatGPT Enterpriseを活用し、業務効率化と新たな価値創造を推進  ふくおかフィナ…
  3. ■2024年度の美容室倒産件数、前年を大幅に上回る197件  帝国データバンクの調査によると、20…
2025年5月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  

ピックアップ記事

  1. ■スタンレー電気など年初来安値銘柄の業績見通しに焦点  日経平均株価が4月に大幅下落する中、年初来…
  2. ■トランプ劇場、急転換の舞台裏!米中摩擦、FRB人事…予測不能な変幻自在  「クルマは急に止まれな…
  3. ■5大商社決算発表を前に高まる投資家の期待感  世界三大投資家の一人ウォーレン・バフェットが日本の…
  4. ■「市場の反乱」の一段落で「市場の勝利」を期待しバフェット流に商社株にバリュー株投資も一考余地  …
  5. ■株価55%高もまだ割安!?記念優待利回り10%超の注目株  10日には米国の関税発動停止を受け、…
  6. ■一喜一憂の投資家心理、トランプ関税「一時停止」の罠  まずフェイクニュースかと目と耳を疑った。次…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る