ピックルスコーポレーションは23年2月期1Q減益だが進捗率順調

(決算速報)
 ピックルスコーポレーション<2925>(東証プライム)は6月28日の取引時間終了後に23年2月期第1四半期連結業績を発表した。収益認識会計基準適用の影響や巣ごもり需要の落ち着きなどで減収減益だった。ただし通期予想(個人消費の不透明感や原燃料高の影響などを考慮して減益予想)に対する進捗率は順調だった。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は反発力が鈍く年初来安値圏でモミ合う形だ。目先的には第1四半期減益を嫌気する動きが優勢になる可能性もあるが下値限定的だろう。

■23年2月期1Q減益だが通期予想に対する進捗率順調

 23年2月期第1四半期の連結業績(収益認識会計基準適用のため売上高の前期比増減率は非記載)は、売上高が105億17百万円、営業利益が49.3%減の6億72百万円、経常利益が48.6%減の6億99百万円、親会社株主帰属四半期純利益が48.6%減の4億76百万円だった。

 収益認識会計基準適用の影響額として、従来方法に比べて売上高が6億13百万円減少、売上原価が12百万円増加、販管費が6億43百万円減少、営業利益、経常利益、税金等調整前四半期純利益がそれぞれ17百万円増加している。

 売上高は、従来方法に換算すると111億30百万円となり、前年同期の120億67百万円に対して7.8%減収となった。コロナ禍に伴う巣ごもり需要が落ち着いたことによる反動減に加えて、食料品の相次ぐ値上げによって消費者の節約志向が高まったことも影響した。コスト面では原料の野菜価格が安定的に推移し、生産効率向上も推進したが、減収影響をカバーできず大幅減益だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が407億円、営業利益が22年2月期比15.0%減の25億円、経常利益が14.3%減の26億30百万円、親会社株主帰属当期純利益が17.3%減の17億60百万円としている。配当予想は22年2月期と同額の20円(期末一括)としている。

 個人消費の不透明感や原燃料高の影響などを考慮して減益予想としている。売上面では、全国ネットワークを活用した積極的な営業活動や、惣菜製品等における幅広い製品開発などを推進する。売上原価率については22年2月期比4.1ポイント上昇の76.4%の計画としている。

 第1四半期は減益だったが、通期予想に対する進捗率は売上高が25.8%、営業利益が26.9%、経常利益が26.6%、親会社株主帰属当期純利益が27.0%と概ね順調だった。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は下値眼底的

 株価(21年9月1日付で株式2分割)は反発力が鈍く年初来安値圏でモミ合う形だ。目先的には第1四半期減益を嫌気する動きが優勢になる可能性もあるが下値限定的だろう。6月28日の終値は1340円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS136円93銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約1.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1288円57銭で算出)は約1.0倍、そして時価総額は約172億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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