テンポイノベーションは23年3月期1Q大幅増益、通期上振れの可能性

(決算速報)
 テンポイノベーション<3484>(東証プライム)は8月4日の取引時間終了後に23年3月期第1四半期連結業績を発表した。連結決算に移行したため、前年の非連結業績との比較で増収・大幅増益だった。コロナ禍でも旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応して積極的な仕入を実施し、転貸借物件数が順調に増加した。新たに開始した家賃保証事業も寄与した。通期も増収増益予想としている。第1四半期の好調を勘案すれば通期会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。なお株主優待制度の拡充も発表した。株価は水準を切り上げて年初来高値圏だ。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■23年3月期1Q大幅増益、通期増収増益予想、さらに上振れの可能性

 23年3月期第1四半期の連結業績(店舗家賃保証事業を行う子会社の店舗セーフティーを設立して連結決算に移行、前期比増減率は非記載)は、売上高が30億04百万円、営業利益が2億86百万円、経常利益が3億05百万円、親会社株主帰属四半期純利益が2億09百万円だった。

 前年の非連結業績との比較で売上高は9.5%増収、営業利益は27.9%増益、経常利益は30.4%増益、親会社株主帰属四半期純利益は31.6%増益だった。コロナ禍でも旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応して積極的な仕入を実施し、転貸借物件数が順調に増加した。利益面では売上総利益率が1.4ポイント上昇した。ランニング収入の増加に加えて、店舗家賃保証事業や不動産売買事業も寄与した。

 セグメント別に見ると、店舗転貸借事業(店舗家賃保証を含む)は売上高が29億01百万円でセグメント利益(営業利益)が2億50百万円、不動産売買事業は売上高が1億02百万円で利益が35百万円だった。店舗転貸借事業の成約数(新規契約と後継契約の合計)は12件増加の107件と順調に推移した。期末時点の転貸借物件数は259件増加の2015件となり、初めて2000件を突破した。不動産売買事業は1物件を売却、1物件を取得し、期末時点の保有物件数は3件となった。

 通期の連結業績予想は据え置いて売上高が126億55百万円、営業利益が10億59百万円、経常利益が10億74百万円、親会社株主帰属当期純利益が7億33百万円としている。配当予想は現時点では未定としている。

 前期の非連結業績との比較で、売上高は10.9%増収、営業利益は16.4%増益、経常利益は8.9%増益、親会社株主帰属四半期純利益は10.7%増益予想となる。転貸借物件数が順調に増加して実質増収増益予想としている。コロナ禍で飲食業界にとって厳しい状況が継続するが、コロナ禍でも旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に合致した店舗物件の仕入を推進する。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高23.7%、営業利益27.0%、経常利益28.5%、親会社株主帰属当期純利益28.6%と順調である。第1四半期の好調を勘案すれば通期会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

 なお株主優待制度の拡充(詳細は会社HP参照)も発表した。100株以上を1年以上継続保有している株主を対象として実施しており、新たに「基準日時点で500株以上保有株主に対してジェフグルメカード7000円分贈呈」を追加した。

■株価は上値試す

 株価は水準を切り上げて年初来高値圏だ。週足チャートで見ると13週移動平均線に続いて26週移動平均線も上向きに転じた。そしてボックスレンジ上限から上放れる動きだ。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。8月4日の終値は911円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS41円37銭で算出)は約22倍、前期実績PBR(前期実績のBPS188円29銭で算出)は約4.8倍、時価総額は約161億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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