クリナップは原材料価格高騰で23年3月期1Q減益だが通期増益予想据え置き

(決算速報)
 クリナップ<7955>(東証プライム)は8月4日の取引時間終了後に22年3月期第1四半期連結業績を発表した。リフォーム需要の獲得などで増収だが、原材料価格高騰の影響を原価低減効果でカバーできず減益だった。ただし通期の増収増益予想を据え置いた。下期は価格改定効果も寄与する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は水準を切り上げて年初来高値圏だ。目先的には第1四半期減益を嫌気する動きが優勢になる可能性もあるが調整限定的だろう。

■23年3月期1Q減益だが通期増益予想据え置き

 23年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比8.6%増の292億06百万円、営業利益が42.5%減の6億26百万円、経常利益が34.5%減の8億09百万円、親会社株主帰属四半期純利益が35.1%減の4億88百万円だった。

 リフォーム需要の獲得などで増収だが、原材料価格高騰の影響を原価低減効果でカバーできず減益だった。部門別の売上高は、厨房部門が10.3%増の232億27百万円、浴槽・洗面部門が1.2%減の39億26百万円だった。

 通期連結業績予想は据え置いて、売上高が22年3月期比4.1%増の1180億円、営業利益が5.4%増の40億円、経常利益が4.9%増の44億70百万円、親会社株主帰属当期純利益が1.4%増の32億円としている。配当予想は22年3月期比3円増配の26円(第2四半期末13円、期末13円)としている。
 
 需要が回復基調で増収増益・増配予想としている。第1四半期は原材料価格高騰の影響で減益だったが、下期は価格改定効果(22年9月納品分から価格改定予定)も寄与する見込みだ。さらなる原価低減も推進する方針であり、積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は年初来高値圏

 株価は水準を切り上げて年初来高値圏だ。目先的には第1四半期減益を嫌気する動きが優勢になる可能性もあるが調整限定的だろう。8月4日の終値は614円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS86円74銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の26円で算出)は約4.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1481円01銭で算出)は約0.4倍、そして時価総額は約230億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る