クレスコの第3四半期決算は2ケタ増収増益となり、進ちょく率は営業益が78%、経常益は82%

■通期の業績見通しは従来予想を継続したが上振れ観測強まる

クレスコ<4674>(東1)が2月4日の夕方に発表した2020年3月期の第3四半期連結決算(2019年4~12月、累計)は、売上高が289.57億円(前年同期比12.1%の増加)となり、営業利益は26.53億円(同14.6%の増加)、親会社株主に帰属する四半期純利益は20.03億円(同19.7%の増加)と全体に2ケタの伸び率を示した。

 通期の業績見通し(後段に数値)は従来予想を継続したが、これに向けての進ちょく率は、売上高が76.4%、営業利益が78.1%、経常利益は82.4%に達した。「2大事業セグメントであるソフトウェア開発、組込型ソフトウェア開発とも期初から順調に推移した」(根元浩幸社長)。

■10月からベトナムの開発センターが本格的に稼働

 ただ一点、3ヵ月ごとの営業利益を見ると、第1、第2四半期まで10%台を続けてきた売上高/営業利益率が、第3四半期(10~12月)は9.5%に低下した。

 営業利益率が第3四半期にやや低下した要因としては、グループ会社の一部案件に品質向上の仕事が加わったこと、10月にオフショア開発拠点「クレスコベトナム」の活動がスタートし、営業を開始したことが主要因。「クレスコベトナム」は、国内のエンジニア不足と業績拡大のボトルネックを打開する戦略拠点と位置付けている。これらの要因が今3月期・通期の業績にまでを響が長引かせるものではないとした。

 通期の連結業績見通しは従来予想を継続し、売上高は378.80億円(前期比7.5%の増加)、営業利益は34.00億円(同6.0%の増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は24.16億円(同5.7%の増加)、1株利益は114円28銭。

 新型コロナウイルス肺炎の流行による世界経済の停滞観測はあるものの、調査筋の中からは、通期の業績は上振れる可能性が強待ってきたとの判断が出ている。(HC)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  2. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  3. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  4. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…
  5. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  6. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る