【株式市場特集】2月期決算会社の高配当利回りランキングトップ10

銘柄 相場欄

 今週の当特集は、権利付き最終日があと9営業日と迫っている2月期決算会社の配当権利取りのインカムゲイン投資を資金効率の良い債権投資の所有期間利回り的な感覚で提案することとした。2月期決算会社は、内需関連のディフェンシブ株が多く、また高配当ランキングの上位にランクされる銘柄は、期中で業績も上方修正した低PER・PBR銘柄も少なくないからだ。同じく2月末の権利付き最終日を迎える株式分割銘柄とともに適温株価を期待したい。

■トップ10位銘柄は業績の上方修正で増配し下方修正でも高配当は据え置き

 2月期決算会社の高配当利回りランキングのトップ10は、5.56%で第1位のグラファイトデザイン<7847>(東証スタンダード)以下、三栄建築設計<3228>(東証プライム)、エーアイティー<9381>(東証プライム)、東京個別指導学院<4745>(東証プライム)、AVANTIA<8904>(東証プライム)、ヨンドシー・ホールディングス<8008>(東証プライム)、リソー教育<4714>(東証プライム)、和田興産<8931>(東証スタンダード)、バロックジャパンリミテッド<3548>(東証プライム)と続き、第10位のMrMaxHD<8203>(東証プライム)の配当利回りは4.03%である。このうち三栄建築とAVANTIAは、8月期決算会社で2月中間配当を実施予定にある。

 業績は上方修正・下方修正が交錯し、上方修正組は、グラファイトデザイン、エーアイティー、和田興産となり業績修正とともに増配も発表、このうちグラファイトデザインと和田興産は、前週末10日に昨年来高値を更新した。下方修正組は、東京個別、リソー教育、ヨンドシーHD、バロックJだが、いずれも期初予想の今期配当には変更はなく、株価はこれを手掛かりに下値抵抗力を発揮している。PE評価も、東京個別、リソー教育、バロックJの3銘柄を除き、4倍~10倍と割り負けており、これもサポート材料となりそうだ。

■低PERの上方修正・増配株も続き株式分割銘柄はファーストリテイリング次第

 配当利回りランキングの上位10銘柄ほど配当利回りは高くないが、業績上方修正とともに期末配当を増配し、低PER評価にとどまっている銘柄も要注目である。昨年12月以降に業績を上方修正した割安株を時系列的にあげるとニューテック<6734>(東証スタンダード)、山陽商会<8011>(東証プライム)、岡谷鋼機<7485>(名証プレミア)、エコートレーディング<7427>(東証スタンダード)、パルグループホールディングス<2726>(東証プライム)、テイツー<7610>(東証スタンダード)と続く。トレジャー・ファクトリー<3093>(東証プライム)は、PERは15倍台と市場平均を上回るが、前週末10日に株式分割と配当の再増配を発表した。またドトール・日レスホールディングス<3087>(東証プライム)は、PERは28倍台と割高だが、PBRは0.89倍と1倍を割れ、昨年来高値水準で推移している。

 2月末に権利付き最終日を迎える株式分割銘柄は、1対3の株式分割を予定しているファーストリテイリング<9983>(東証プライム)以下、セイヒョー<2872>(東証スタンダード)、前記のトレジャー・ファクトリー、物語コーポレーション<3097>(東証プライム)、買取王国<3181>(東証スタンダード)、オキサイド<6521>(東証グロース)と続く。業績ファンダメンタルズは、トレジャー・ファクトリー、買取王国が複数回の業績上方修正と増配を発表し、物語コーポが実質増配、セイヒョーとオキサイドが業績を下方修正と対照的だが、指数寄与度の大きいファーストリテイリングが、株式分割への当初のネガティブ反応から持ち直し途上にあり、この動向次第で権利取りが盛り上がる展開も想定される。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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