安川電機と米国ベンチャーが資本業務提携、いちごの完全自動生産に挑む

■農業・食品分野での自動化のグローバルリーダーを目指す

 安川電機<6506>(東証プライム)は31日、Oishii Farm Corporation(本社:米国ニュージャージー州:Oishii社)と、5月30日に資本業務提携を行ったと発表。Oishii社が展開する植物工場に対して、同社が推進するソリューションコンセプト「i3-Mechatronics(アイキューブ メカトロニクス)」に基づく自動化ソリューションを提供することで、農業・食品分野での自動化のグローバルリーダーを目指し、食の安定供給等によるサステナブルな社会の実現に貢献していくことを同資本業務提携の目的としている。

■米国のベンチャー企業、いちごの自然受粉による安定量産に成功

 Oishii社は米国ニュージャージー州を拠点にいちごを製造・販売するベンチャー企業であり、栽培サイクルが長く最も高度な農作物と言われるいちごを、ハチによる自然受粉を用い、世界で初めて安定量産することに成功している。また、自然とテクノロジーを融合させながら、雨・空気・熱・光・栄養といった要素を植物にとって最適な条件で再現し、年間を通して旬のいちごを消費者向けに届けることを可能にした企業である。将来的には、いちごの完全自動生産の実現を目指している。

■新中期経営計画「Realize 25」の戦略を推進

 一方、同社は新中期経営計画「Realize 25」の主な戦略のひとつとして、メカトロニクス応用領域の事業拡大を掲げ、これまで培ってきた工場自動化技術を農業・食品分野に活用する取り組みを強化している。またグループ会社のFAMSでは、これらの技術を応用した植物工場システム「アグリネ」を開発・販売している。

 資本業務提携では、Oishii社が今後建設予定の工場で行う全行程(播種・育苗〜収穫・検査〜箱詰め・出荷)の自動化の取り組みに対して、安川グループがもつロボットなどの製品とソリューションを提供していく。

 農業技術と工業技術の結晶として産まれた植物工場は、消費市場への安全・安心な供給、自然災害からの回避による安定生産、労働力不足の解消などにつながるものであり、同社としてこのOishii社との協業を通じて農業・食品分野におけるサステナブルな社会の実現に貢献していくとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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