【注目銘柄】アイビスはAI超解像度機能リリースを手掛かりに直近IPO株人気を高める

■AI関連株として注目

 アイビス<9343>(東証グロース)は、今年5月18日につけた二番底1680円からの底上げ幅を拡大させている。今年6月1日に発表した同社のモバイルペイントアプリ「ibisPaint」の新機能「AI超解像度機能」リリースを手掛かりに生成AI関連株の一角として直近IPO(新規株式公開)株買いが増勢となった。テクニカル的にも今年3月のIPO時につけた上場来高値3135円から4月27日の上場来安値1597円まで1500円超、日柄で3カ月弱それぞれ調整しており、調整一巡感を示唆しているとして下値買いを誘発している。

■2017年に次ぎ高画質化のAIイラスト生成技術の第2弾

 同社の「ibisPaint」は、スマートフォンを使って指一本で本格的なイラストが描ける日本発のアプリで、全世界ダウンロード数は、3億2000万ダウンロードと世界ナンバーワンとなっている。今回は、同アプリに「AI超解像度機能」をリリースしたもので、ディープラーニング技術を駆使し自身が描いたイラスト作品の高画質化をワンタップで実現、保存している画像の画質とサイズを2倍に向上させることを可能とする。このAI機能の提供は、2017年にリリースした「AI自動色塗り機能」に次ぎ2つ目で、AIイラスト生成技術として同社の一段の世界シェア拡大に大きく寄与する。

 一方、同社の今2023年12月期業績は、売り上げ35億9000万円(前期比5.7%増)、営業利益3億円(同36.6%増)、経常利益2億9200万円(同22.7%増)、純利益2億200万円(同20.2%増)と大幅続伸が見込まれている。この立ち上がりの今年5月10日に発表された今期第1四半期(2023年1月~3月期、1Q)業績は、売り上げ8億2700万円、営業利益1億3700万円、経常利益1億2500万円、純利益7800万円で着地した。四半期決算は初開示となるため前年同期比較はないが、12月期通期予想業績に対する利益進捗率は、38%~45%と目安の25%を大きく上回った。ibisPaintシリーズの累計ダウンロード数が、前年同期比33.4%増の3億1579万件と大きく伸び、1Qのモバイルセグメントのセグメント利益と同じくソリューションセグメントのセグメント売り上げが過去最高となったことなどが要因となった。

■最高値からの値幅・日柄調整一巡の2番底からまず3分の1戻しにトライ

 株価は、今年3月23日に公開価格730円でIPOされ、初日は買い気配を切り上げて推移し、2日目に2121円で初値をつけ即ストップ高して上場来高値3125円まで上値を伸ばした。同高値から上場来安値1597円まで調整し、今期1Qの好決算でいったん2225円までリバウンドしたあと1680円まで再調整、この水準で2番底を形成し出直りを窺っていた。最高値からの値幅調整、日柄調整とも一巡感を強めており、まず最高値から最安値までの調整幅の3分の1戻しの2100円台回復にトライしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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