京写は24年3月期1Q大幅増益で通期も大幅増益予想、さらに上振れの可能性

(業績修正速報)
京写<6837>(東証スタンダード)は7月28日の取引時間終了後に24年3月期第1四半期連結業績を発表した。ベトナムにおける受注増加や為替の円安効果などで大幅増益だった。そして通期の大幅増益予想を据え置いた。第1四半期の好調を勘案すれば通期会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は6月の年初来高値圏から一旦反落したが、調整一巡して切り返しの動きを強めている。第1四半期の好業績に加えて、1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価して上値を試す展開を期待したい。

■24年3月期1Q大幅増益、通期も大幅増益予想

24年3月期第1四半期の連結業績は売上高が前年同期比3.4%増の61億11百万円、営業利益が86.4%増の3億41百万円、経常利益が41.7%増の2億71百万円、親会社株主帰属四半期純利益が73.9%増の2億01百万円だった。プリント配線板事業のベトナムにおける自動車分野の受注増加、実装関連事業の三和電子の増収、さらに為替の円安効果なども寄与して大幅増益だった。

地域別のセグメント業績(売上高はセグメント間内部取引高含む)は、日本の売上高が13%増の26億14百万円で営業利益が26%増の68百万円、中国の売上高が7%減の31億85百万円で営業利益が4%増の2億05百万円、インドネシアの売上高が9%減の5億92百万円で営業利益が18百万円の損失(前年同期は0百万円)、メキシコの売上高が10%減の30百万円で営業利益が80%減の2百万円、ベトナムの売上高が135%増の7億49百万円で営業利益が74百万円(同79百万円の損失)だった。

日本はプリント配線板が自動車向けを中心に回復傾向となり、実装関連が需要回復や新規市場開拓で大幅増収だった。中国とインドネシアはプリント配線板の事務機分野などの受注が減少したが、中国では受注減少に合わせたコスト改善で増益を確保した。ベトナムは自動車分野の受注が増加し、四半期ベースで初の黒字を達成した。

製品別の売上高は片面板が7%減の25億69百万円、両面板(多層板、銀スルーホール基板含む)が7%増の27億09百万円、実装関連が38%増の6億44百万円、その他が29%増の1億87百万円だった。両面板、実装関連は過去最高の売上高となった。

用途別の売上高は自動車関連が11%増の26億92百万円、家電製品が10%増の12億11百万円、事務機関連が14%減の6億78百万円、電子部品が23%減の3億78百万円、電気機器が46%減の1億85百万円、その他(映像機器、音響機器、アミューズメント等)が27%増の9億67百万円だった。

通期連結業績予想は据え置いて売上高が23年3月期比2.2%増の250億円、営業利益が48.8%増の10億円、経常利益が34.0%増の8億30百万円、親会社株主帰属当期純利益が特別損失一巡で5億60百万円(23年3月期は4億85百万円の損失)としている。配当予想は23年3月期比6円増配の9円(期末一括)としている。予想配当性向は23.1%となる。

売上面は不透明感を考慮して小幅増収だが、利益面はベトナム子会社の生産量増加・稼働率上昇や生産性向上などで大幅増益予想としている。第1四半期の進捗率は売上高が24%、営業利益が34%、経常利益が33%、親会社株主帰属当期純利益が36%と高水準である。第1四半期の好調を勘案すれば通期会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

株価は6月の年初来高値圏から一旦反落したが、調整一巡して切り返しの動きを強めている。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。第1四半期の好業績に加えて、1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価して上値を試す展開を期待したい。7月28日の終値は345円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS38円97銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想の9円で算出)は約2.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS502円53銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約50億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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