大平洋金属は2週間ぶりに1600円台を回復、マイクロ波による新ニッケル製錬技術に期待強まり連日出直る

■マイクロ波化学と共同開発へ、CO2大幅削減、熱効率改善にメド

 大平洋金属<5541>(東証プライム)は8月24日の後場、1641円(59円高)で始まり、8月10日以来2週間ぶりに1600円台を回復している。23日付で、マイクロ波を利用したニッケル製錬技術についてマイクロ波化学<9227>(東証グロース)と共同開発契約を締結したと発表し、連日、注目を集めている。2022年よりラボ検討を実施してきた結果、CO2排出量の大幅な削減、熱効率改善による省エネルギー化の見通しを得たため、小型実証試験を共同で進め、事業性を検証していくとした。

 ニッケルは、ステンレス鋼や電気自動車(EV)用リチウムイオンバッテリーに必要とされる重要な金属で、政府の経済安保政策(経済安全保障推進法)で「特定重要物資」に指定された金属鉱産物(レアメタルなど)のひとつ。大平洋金属は、輸入するニッケル鉱石を主原料にフェロニッケル(ステンレス鋼の原料)を国内で製造しており、従来技術で使用している石炭燃焼のエネルギーから電気で発生するマイクロ波に置き換えることについて検討してきた。

 一方、マイクロ波化学は、2014年に世界で初めてマイクロ波を用いた大型化学プラントでの製造プロセス開発に成功し、大幅なエネルギーの効率化と脱炭素化に貢献する技術企業として注目されている。22年6月に株式を上場。すでに三井化学<4183>(東証プライム)とも共同展開を進めている。近年は、鉱山開発プロセスに向けてマイクロ波技術プラットフォーム「Green Mining-MXTM」を構築している。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  2. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  3. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  4. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…
  5. ■九州地盤銘柄に割安感、福証単独上場企業にも注目集まる  東京エレクトロンやアドバンテストなどの半…
  6. ■参院選で与党過半数割れ、石破政権の行方不透明に  7月20日投開票の参議院議員選挙は、大手メディ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る