【アナリスト水田雅展の銘柄分析】インフォメーションクリエーティブは配当落ちで急反落したが下値は限定的、9月高値試す

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 ソフトウェア開発やシステム運用のインフォメーションクリエーティブ<4769>(JQS)の株価は、9月25日の年初来高値835円から期末配当落ちで反落し、全般地合い悪化も影響して10月14日の722円まで調整した。ただし8月安値714円を割り込まず足元では750円近辺まで戻している。下値を確認した形であり、今期(15年9月期)業績に対する期待感で切り返しのタイミングだろう。なお11月7日に前期(14年9月期)の決算発表を予定している。

 ソフトウェア開発事業、システム運用事業、その他事業(パッケージ開発・販売)を展開し、顧客に常駐する型で情報サービス分野における総合的なソリューションサービスを提供している。顧客別に見ると日立システムズや日立ソリューションズなど、日立製作所<6501>グループ向けが全体の約6割を占めて収益源となっていることも特徴だ。

 13年11月発表の新中期経営計画(14年9月期~16年9月期)では、基本戦略としてソフトウェア開発・システム運用などのITソリューション事業の安定成長、自社パッケージ開発・販売のITサービス事業の成長加速、強固な人材・組織基盤の構築を推進している。

 経営目標値は16年9月期売上高80億円(ITソリューション事業76億円、ITサービス事業4億円)、売上高経常利益率8.0%として、長期ビジョンでは100億円企業、東証2部上場を目指している。

 14年6月には美容室・サロン向けのスマホアプリ制作サービス「LAPPLI(ラプリ)」をリリースした。美容室・サロンの集客を効率的・効果的に行うための「あなたのお店だけのスマートフォンアプリが作成できるサービス」としている。

 前期(14年9月期)の業績(非連結)見通しは前回予想(13年11月8日公表)を据え置いて、売上高が前々期比7.0%増の66億74百万円、営業利益が同18.2%増の3億82百万円、経常利益が同13.1%増の4億09百万円、純利益が同11.7%増の2億43百万円、配当予想が前々期と同額の年間24円(期末一括)としている。

 Web系システム開発やシステム運用管理が高水準に推移し、技術者の稼働率上昇効果も寄与して増収増益見込みだ。第3四半期累計(10月~6月)はソフトウェア開発の一部案件での作業超過発生や投資不動産の減損処理などが影響して前年同期比5.1%営業減益、同5.4%経常減益、同46.4%最終減益だったが、企業収益改善に伴うIT投資の増加などで同2.3%増収だった。需要は高水準であり、売上面では好調に推移しているようだ。

 今期(15年9月期)についても、企業のIT投資は引き続き高水準に推移することが予想され、前期の一部案件の作業超過発生や投資不動産減損処理の影響も一巡して好業績が期待されるだろう。

 株価の動きを見ると、9月25日に付けた年初来高値835円から期末配当落ちで反落し、全般地合い悪化も影響して10月14日の722円まで調整した。ただし8月安値714円を割り込まず、足元では740円~750円近辺まで戻している。調整が一巡したようだ。

 10月29日の終値740円を指標面で見ると、前期推定PER(会社予想のEPS63円50銭で算出)は11~12倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間24円で算出)は3.3%近辺、前々期実績PBR(前々期実績のBPS830円74銭で算出)は0.9倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、8月安値に接近して下値を確認した形であり、今期業績に対する期待感で切り返しのタイミングだろう。

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