NTTは軽量で高性能な大規模言語モデル「tsuzumi」を商用化へ、2024年3月に業界特化型のAIサービスとして提供開始

■日本語処理性能は世界トップレベル

 日本電信電話(NTT)<9432>(東証プライム)は11月1日、大規模言語モデル(LLM)の普及に伴う課題を解決するために、自社研究所が開発した軽量で高性能なLLM「tsuzumi」を活用した商用サービスを2024年3月に提供開始すると発表した。LLMは、人間の言語を理解・生成することができるAI技術であるが、その性能向上には膨大なデータや計算資源が必要であり、環境や経済的な負荷が高いという問題があった。

■マルチモーダルや自律的なAI連携にも対応予定

 「tsuzumi」は、NTTが40年以上にわたって蓄積してきた自然言語処理の研究成果をもとに開発されたLLMであり、パラメタ数は6億(超軽量版)と70億(軽量版)という小さなサイズながら、日本語処理性能は世界トップレベルのLLMを上回ることが確認されている。また、英語にも対応しており、多言語への拡張も予定している。さらに、「tsuzumi」は、少ない追加学習で業界や分野に特化した知識や表現を学習できるアダプタ技術や、視覚・聴覚・ユーザ状況などを含めたマルチモーダルな情報を理解できる技術も備えている。

 「tsuzumi」の商用化に向けて、NTTは2023年10月からメディカル分野やコンタクトセンタ分野などのパートナー企業とトライアルを開始しており、今後もチューニング機能やマルチモーダル機能の充実を図っていくという。また、NTTはIOWNと呼ばれる次世代通信基盤技術を利用して、「tsuzumi」の学習環境を安全かつ低遅延に実現しており、これにより複数のLLMが自律的に連携し議論するAIコンステレーションなどの開発も進めているという。

 「tsuzumi」は、2023年11月14日から17日まで開催される「NTT R&D FORUM 2023―IOWN ACCELERATION」で展示されるほか、基調講演や特別セッションでも紹介される予定である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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