JPホールディングスは24年3月期2Q累計大幅増益で通期上振れの可能性

(決算速報)
 JPホールディングス<2749>(東証プライム)は11月13日の取引時間中に24年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。大幅増益で着地した。新たな幼児学習プログラム導入など「選ばれ続ける園・施設づくり」に向けた各種取組が奏功して受入児童数が増加し、人員配置最適化など効率的な施設運営も寄与した。通期は小幅営業・経常増益(当期純利益は特別損失一巡で減益)予想を据え置いたが、第2四半期累計の好調を勘案すれば通期会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。なお、第1位株主の学研ホールディングス<9470>が保有する同社全株式をダスキン<4665>に譲渡し、ダスキンが第1位株主になると10月27日に発表している。株価は第2四半期累計業績を好感して急伸の動きとなった。そして6月の年初来高値に接近している。上値を試す展開を期待したい。

■24年3月期2Q累計大幅増益で通期上振れの可能性

 24年3月期第2四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比4.9%増の180億57百万円、営業利益が34.4%増の20億20百万円、経常利益が29.1%増の19億65百万円、親会社株主帰属四半期純利益が13.2%増の12億79百万円だった。

 幅増益で着地した。新たな幼児学習プログラム導入など「選ばれ続ける園・施設づくり」に向けた各種取組が奏功して受入児童数が増加し、人員配置最適化など効率的な施設運営も寄与した。新規施設開設は保育所1園、学童クラブ・児童館9施設、合計10施設で、第2四半期末の子育て支援施設数は保育園209園、学童クラブ86施設、児童館11施設、合計306施設となった。なお認可保育園および東京都認証保育所のうち5施設を、ネイティブ英語講師を配置したバイリンガル保育園に変更した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高89億56百万円、営業利益8億68百万円、経常利益8億77百万円、第2四半期は売上高91億01百万円、営業利益11億52百万円、経常利益10億88百万円だった。なお新規施設開設が4月1日に集中するため、第1四半期(4~6月)と第4四半期(1~3月)に関連費用が発生する傾向がある。

 通期連結業績予想は据え置いて売上高が23年3月期比2.5%増の363億90百万円、営業利益が4.2%増の38億20百万円、経常利益が2.6%増の38億42百万円、親会社株主帰属当期純利益が特別利益の一巡により7.5%減の24億97百万円としている。配当予想は23年3月期と同額の6円(期末一括)としている。23年3月期に実施した記念配当1円を落とすため、24年3月期は普通配当ベースでは1円増配の形となる。予想配当性向は20.5%である。

 引き続き「選ばれ続ける園・施設づくり」に向けた各種取組、効率的な施設運営などを推進して営業・経常増益予想としている。不透明感も考慮して小幅増益にとどまる見込みとしているが、第2四半期累計の進捗率は売上高50%、営業利益53%、経常利益51%、親会社株主帰属当期純利益51%と順調である。児童数が増加して稼働率が上昇する期後半に向けて収益が拡大する特性があり、第2四半期累計の好調を勘案すれば通期会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は第2四半期累計業績を好感して急伸の動きとなった。そして6月の年初来高値に接近している。上値を試す展開を期待したい。11月14日の終値は375円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS29円32銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の6円で算出)は約1.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS159円53銭で算出)は約2.4倍、そして時価総額は約329億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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