ケンコーマヨネーズは22年3月期1Q黒字転換、通期上振れの可能性

(決算速報)
 ケンコーマヨネーズ<2915>(東1)は8月10日の取引時間終了後に22年3月期第1四半期連結業績を発表した。新型コロナ影響が和らいで2桁増収となり、各利益は黒字転換した。通期減益予想を据え置いたが上振れの可能性が高いだろう。収益回復を期待したい。なお8月11日に自己株式立会外買付取引(ToSTNeT―3)によって自己株式(上限5万株)を買い付ける。株価は安値圏で軟調だが、第1四半期業績を好感する動きが優勢となりそうだ。出直りを期待したい。

■22年3月期1Q黒字転換、通期減益予想据え置きだが上振れの可能性

 22年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比16.3%増の182億82百万円、営業利益が4億03百万円(前年同期は55百万円の赤字)、経常利益が4億15百万円(同36百万円の赤字)、親会社株主帰属四半期純利益が2億74百万円(同53百万円の赤字)だった。

 新型コロナ影響が和らいで2桁増収となり、各利益は黒字転換した。売上面では、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための飲食店休業・営業時間短縮に伴う売上減少要因があったが、前年同期に比べて影響が軽微にとどまった。利益面では、原料価格高騰の影響があったが、売上高増加に伴う工場稼働率の向上や経費削減などで吸収した。セグメント別には、調味料・加工食品事業が15.5%増収で黒字化、総菜関連事業等が18.4%増収で5.7倍増益だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が21年3月期比6.9%増の732億円、営業利益が27.6%減の14億30百万円、経常利益が26.9%減の15億円、親会社株主帰属当期純利益が28.0%減の10億50百万円としている。配当予想は5円減配の15円(第2四半期末7円、期末8円)である。

 テイクアウト需要に対応した商品ラインナップ拡充や販路拡大などで増収を見込むが、主要原料の価格高騰の影響で減益予想としている。ただし第1四半期の進捗率は売上高が25.0%、営業利益が28.2%、経常利益が27.7%、当期純利益が26.1%と順調だった。新型コロナ影響が和らいで通期予想は上振れの可能性が高いだろう。収益回復を期待したい。

■株価は出直り期待

 株価は安値圏で軟調だが、第1四半期業績を好感する動きが優勢となりそうだ。出直りを期待したい。8月10日の終値は1488円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS63円73銭で算出)は約23倍、時価総額は約245億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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