ネオジャパンは24年1月期3Q累計増収増益、通期予想を上方修正

(決算速報)
 ネオジャパン<3921>(東証プライム)は、12月13日の取引時間終了後に24年1月期第3四半期累計連結業績を発表した。主力のクラウドサービスやプロダクト販売、さらにシステム開発サービス事業の好調が牽引して増収増益だった。そして通期予想を上方修正し、前回予想に比べて営業・経常減益幅が縮小(当期純利益は増益転換)する見込みとした。売上高が計画を上回ることに加えて、研究開発費等の費用発生が計画を下回ることも寄与する見込みだ。修正後の通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は高水準である。通期会社予想には再上振れ余地があり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は反発力の鈍い形だが調整一巡感を強めている。上方修正を評価して出直りを期待したい。

■24年1月期3Q累計増収増益、通期予想上方修正、さらに再上振れ余地

 24年1月期第3四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比11.1%増の49億56百万円、営業利益が12.7%増の10億83百万円、経常利益が9.3%増の11億50百万円、親会社株主帰属四半期純利益が16.8%増の8億26百万円だった。主力のクラウドサービスやプロダクト販売、さらにシステム開発サービス事業の好調が牽引して増収増益だった。

 ソフトウェア事業(クラウドサービス、プロダクト、技術開発の合計)は売上高が9.7%増の34億53百万円、セグメント利益(調整前営業利益)が3.6%増の10億20百万円だった。

 クラウドサービスの売上高は9.7%増の21億91百万円で、内訳はグループウェアdesknet‘s NEOクラウドが9.8%増の18億20百万円、ノーコード業務アプリ作成ツールAppSuiteクラウドが31.5%増の1億28百万円、ビジネスチャットChatLuckクラウドが7.6%増の54百万円、その他月額売上が2.0%増の1億50百万円、その他役務作業等が16.1%減の37百万円だった。

 プロダクトの売上高は10.5%増の12億09百万円で、内訳はライセンス売上合計が23.8%増の3億31百万円、サポートサービスが5.3%増の6億27百万円、カスタマイズが70.7%増の93百万円、その他役務作業等が11.0%減の1億56百万円だった。技術開発は積極的な受注活動を行っていないため、売上高は7.0%減の52百万円だった。

 システム開発サービス事業(子会社Pro-SPIRE)は、売上高が14.2%増の15億16百万円、セグメント利益が42.7%増の69百万円だった。主要顧客の体制縮小の影響で減収傾向が続いていたが、前期第4四半期から回復傾向となっている。海外事業は売上高が81百万円(前年同期は7百万円)となり、セグメント利益は9百万円の損失(同72百万円の損失)だった。増収効果で損失縮小した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高16億45百万円で営業利益3億93百万円、第2四半期は売上高15億79百万円で営業利益2億09百万円、第3四半期は売上高17億32百万円で営業利益4億81百万円だった。

 通期の連結業績予想については12月13日付で上方修正して、売上高が23年1月期比9.4%増の65億70百万円、営業利益が9.1%減の11億28百万円、経常利益が10.0%減の12億01百万円、親会社株主帰属当期純利益が2.4%増の8億32百万円としている。配当予想は据え置いて、23年1月期比3円増配の23円(期末一括)としている。株主優待制度廃止に伴う株主優待制度のコスト見合い1円50銭に、1円50銭を加えて合計3円増配としている。なお23年1月期の20円には創立30周年記念配当1円が含まれているため、普通配当ベースでは4円増配となる。予想配当性向は41.0%となる。

 前回予想(23年3月13日公表、売上高63億59百万円、営業利益9億37百万円、経常利益9億51百万円、親会社株主帰属当期純利益6億29百万円)に対して、売上高を2億10百万円、営業利益を1億90百万円、経常利益を2億50百万円、親会社株主帰属当期純利益を2億02百万円それぞれ上方修正して、営業・経常減益幅が縮小(当期純利益は増益転換)する見込みとした。売上高が計画を上回ることに加えて、研究開発費等の費用発生が計画を下回ることも寄与する見込みだ。

 修正後の通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高75%、営業利益96%、経常利益96%、親会社株主帰属当期純利益99%と高水準である。クラウドサービスの好調やストック売上の拡大などで、通期会社予想には再上振れ余地があり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は調整一巡

 株価は反発力の鈍い形だが調整一巡感を強めている。上方修正を評価して出直りを期待したい。12月13日の終値は978円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS56円11銭で算出)は約17倍、今期予想配当利回り(会社予想の23円で算出)は約2.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS383円36銭で算出)は約2.6倍、そして時価総額は約146億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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