ファンデリーは24年3月期3Q累計大幅営業増益で通期営業利益予想を超過達成

(決算速報)
 ファンデリー<3137>(東証グロース)は1月31日の取引時間終了後に24年3月期第3四半期累計業績(非連結)を発表した。売上面はMFD事業の回復遅れなどにより減収だが、利益面はCID事業の原価率改善などにより大幅増益だった。そして営業利益は第3四半期累計時点で通期予想を超過達成した。この点を勘案すれば通期会社予想は上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益回復基調を期待したい。株価は動意づいて急伸している。第3四半期累計業績に対してはネガティブ反応となったが、基調転換した形であり、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。

■24年3月期3Q累計大幅営業増益で通期営業利益予想を超過達成

 24年3月期第3四半期累計の業績(非連結)は、売上高が前年同期比6.2%減の20億24百万円、営業利益が52.3%増の55百万円、経常利益が22百万円(前年同期は1百万円)、四半期純利益が21百万円(同0百万円)だった。売上面はMFD事業の回復遅れなどにより減収だが、利益面はCID事業の原価率改善などにより大幅増益だった。

 MFD事業は売上高が8.5%減の15億96百万円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が32.2%減の2億55百万円だった。減収減益だった。医療機関を中心とした紹介ネットワークからの新規顧客が減少し、利益面では人件費の増加や資源価格上昇に伴うカタログ制作費用の増加なども影響した。前年同期比で見ると、第3四半期のアクティブ会員数は3267人減少の2万4044人、月間ARPU(3ヶ月平均)は162円下落の1万6620円、定期コース会員数は393人減少の6183人、紹介ネットワーク数は151箇所増加2万142箇所だった。

 CID事業は売上高(セグメント間の内部売上高含む)が73.9%増の1億92百万円で利益が2億29百万円の損失(前年同期は3億31百万円の損失)だった。依然として損益分岐点に達していないが、MFD事業向け商品の製造(内部取引)による稼働率上昇、高品質・高価格の製品ラインナップ充実、ARPUの上昇、送料体系の見直しなどの効果で営業損失が大幅に縮小した。前年同期比で見ると、第3四半期のアクティブ会員数は2880人減少の3682人、月間ARPU(3か月平均)は2758円上昇して8314円、AI旬すぐ会員数は432人減少して1126人となった。月間ARPU(3か月平均)を四半期別にみると、23年3月期第3四半期の5556円をボトムとして、第4四半期が5875円、24年3月期第1四半期が6520円、第2四半期が8125円、第3四半期が8314円と改善基調である。

 マーケティング事業は売上高が13.2%増の3億43百万円で利益が13.9%増の2億44百万円だった。健康食通販カタログの広告枠販売に加えて、紹介ネットワークを活用した業務受託を複数案件獲得し、収益が大幅に改善した。

 全社業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が6億80百万円で営業利益が3百万円の損失、第2四半期は売上高が6億81百万円で営業利益が49百万円、第3四半期は売上高が6億62百万円で営業利益が8百万円だった。第2四半期以降は営業黒字基調となっている。

 通期の業績(非連結)予想は据え置いて売上高が23年3月期比8.1%増の30億37百万円、営業利益が52百万円(23年3月期は2億85百万円の損失)、経常利益が51百万円(同2億84百万円の損失)、当期純利益が50百万円(同2億84百万円の損失)としている。

 MFD事業の計画は、売上高が23年3月期比3.5%増の23億35百万円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が11.7%減の4億23百万円としている。紹介ネットワークの新規開拓を推進して売上回復を見込む。平均単価については前期比横ばいの前提としている。

 CID事業の計画は、売上高が42.3%増の2億01百万円で利益が4億11百万円の損失(23年3月期は7億58百万円の損失)としている。売上面は知名度向上効果などで増収を見込み、利益面では前期第4四半期に計上した広告宣伝費や包装資材評価損の一巡も寄与する。なお平均単価については前期比横ばいの前提としている。

 マーケティング事業の計画は、売上高が21.2%増の5億円で利益が25.5%増の3億64百万円としている。前期の期ズレ案件も寄与して大幅増収増益の見込みとしている。

 通期は黒字転換予想としている。営業利益は第3四半期累計時点で通期予想を超過達成した。この点を勘案すれば通期会社予想は上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益回復基調を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は動意づいて急伸している。第3四半期累計業績に対してはネガティブ反応となったが、基調転換した形であり、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。2月1日の終値は295円、今期予想PER(会社予想のEPS7円97銭で算出)は約37倍、前期実績PBR(前期実績のBPS53円37銭で算出)は約5.5倍、そして時価総額は約19億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■海外展開を加速  トリドールホールディングス<3397>(東証プライム)は3月25日、カナダ・バ…
  2. ■モビリティカンパニーへの変革を加速  トヨタ自動車<7203>(東証プライム)は3月22日、20…
  3. ■イネの生育を最大4倍に  シャープ<6753>(東証プライム)は3月21日、プラズマクラスター技…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■藤田観光など上方修正済み銘柄が狙い目、決算発表前に高値予約しておくのも有効  大型連休の好調な需…
  2. ■GW市場動向と投資家心理  『目出度さも 中くらいなり おらが春』と詠んだのは小林一茶である。季…
  3. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  4. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る