巴工業は24年10月期1Q大幅増益、通期上振れの可能性

(決算速報)
 巴工業<6309>(東証プライム)は3月14日の取引時間終了後に24年10月期第1四半期連結業績を発表した。大幅増益だった。機械製造販売事業が大幅伸長し、化学工業製品販売事業も堅調に推移した。そして通期の増収増益予想を据え置いた。小幅増益の見込みとしているが上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は日柄調整が完了し、急伸した23年12月の高値に接近している。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■24年10月期1Q大幅増益、通期上振れの可能性

 24年10月期第1四半期(23年11月~24年1月)の連結業績は売上高が前年同期比9.1%増の121億38百万円、営業利益が100.5%増の11億20百万円、経常利益が111.3%増の11億63百万円、親会社株主帰属四半期純利益が106.8%増の8億07百万円だった。機械製造販売事業が大幅伸長し、化学工業製品販売事業も堅調に推移した。

 機械製造販売事業は売上高が35.9%増の24億67百万円で、営業利益が2億24百万円(前年同期は3億01百万円)だった。売上高の内訳は、需要先別には官需が42.2%増の8億36百万円、民需が28.5%増の6億35百万円、海外が35.9%増の9億95百万円、製品別には機械が7.8%増の4億70百万円、装置・工事が89.3%増の2億84百万円、部品・修理が39.5%増の17億12百万円だった。収益性の高い部品・修理が海外向けを中心に大幅伸長した。

 化学工業製品販売事業は、自動車用途材料などを中心に伸長して売上高が3.9%増の96億71百万円、営業利益が増収効果などにより4.1%増の8億95百万円だった。製品別売上高は、合成樹脂関連が全般的に低調で13.7%減の11億85百万円、工業材料関連が6.3%増の15億28百万円、鉱産関連が自動車用途材料や建材用途材料の好調で15.6%増の16億90百万円、化成品関連がコーティング用途向け材料の好調などで6.0%増の22億51百万円、機能材料関連が半導体製造用途向け材料の好調などで19.0%増の16億74百万円、電子材料関連が半導体組立用途向け材料の伸び悩みなどで12.0%減の12億46百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて売上高が23年10月期比4.4%増の518億円、営業利益が3.3%増の41億80百万円、経常利益が2.1%増の42億円、親会社株主帰属当期純利益が7.2%増の29億30百万円としている。配当予想は23年10月期比10円増配の120円(第2四半期末60円、期末60円)としている。予想配当性向は40.9%となる。

 機械製造販売事業は、売上高が11.2%増の145億円で営業利益が20.6%増の10億円の計画としている。売上面は海外営業の強化などで増収、利益面は人件費の増加などを増収効果で吸収する見込みとしている。化学工業製品販売事業は、売上高が1.9%増の373億円で営業利益が1.2%減の31億80百万円の計画としている。売上面は東南アジアでのビジネス拡大などで増収だが、利益面は人件費や営業開発関係費用の増加などで小幅減益を見込んでいる。

 第1四半期の進捗率は売上高が23%、営業利益が27%、経常利益が28%、親会社株主帰属当期純利益が28%と順調だった。会社予想は小幅増益の見込みとしているが上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は日柄調整が完了し、急伸した23年12月の高値に接近している。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。3月14日の終値は3900円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS293円64銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の120円で算出)は約3.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3691円32銭で算出)は約1.1倍、そして時価総額は約411億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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