【東京商工リサーチ】ラーメン店の倒産が過去最多を記録、原材料費高騰と光熱費上昇で

■コスト高で倒産件数が急増

 2023年度(2023年4月~2024年3月)のラーメン店の倒産が63件に達し、過去最多を更新したことが東京商工リサーチの調査で明らかになった。これは前年度の2.7倍にあたり、2013年度の最多記録を大幅に更新する数値である。原因は、人件費や原材料費、光熱費の高騰によるもので、特に「販売不振」が主な要因とされている。小規模で開業が可能なラーメン店は、競合が激しく、多くが開店後1年以内に閉店に追い込まれている。円安やウクライナ情勢の影響で原材料価格が高騰し、コスト上昇がラーメン店経営に大きな打撃を与えている。

 「販売不振」が倒産の最多原因となり、全体の約8割超を占める「不況型倒産」が56件に上った。形態別では「破産」が58件で最多であり、「消滅型」倒産が全体の9割超を占めている。資本金別では、5百万円未満の小・零細企業が8割超を占め、負債額別では「1千万円以上5千万円未満」が最多であった。従業員数別では、「5人未満」が57件と大多数を占めている。

 ラーメン店の倒産増加は、経済状況の変化と消費者の価値観の変化が影響している。インバウンドの増加による潮流の変化も見られるが、コスト高をカバーできない店舗は生き残りが難しい状況である。今後のラーメン店経営は、コスト管理と差別化が成功の鍵となる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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