クックパッド調査、乾物レシピ検索が急増、切り干し大根3倍・戻さず調理が浸透

■戻さず調理の新常識が家庭に浸透、時短・コスパ・栄養を実現

 クックパッド<2193>(東証スタンダード)は、乾物関連レシピの検索動向を調査した。同社が提供する食の検索データサービス「たべみる」によれば、「切り干し大根 サラダ」の検索件数は過去3年で約3倍に増加し、春雨は約46%増、乾燥わかめは約1.8倍に拡大した。背景には物価高による食材価格の上昇があり、乾物は価格が安定している食材として再評価されている。さらに「戻さずそのまま使う」調理法が広がり、時短・栄養・コスト削減を同時に実現する新しい食文化が形成されつつある。

■物価高で乾物需要拡大、春雨やわかめ検索数が大幅上昇

 乾物の人気拡大は、消費者物価指数にも裏付けられている。2020年から2024年にかけて「生鮮野菜」の価格指数が大きく変動したのに対し、「乾物・海藻類」は上昇幅が年2〜5%程度にとどまり、安定推移を見せている。特に春雨は「かさまし料理」として支持を集め、チャプチェや麻婆春雨などで戻し作業を省き、調理過程で直接水分を吸収させる手法が定着しつつある。この「戻さない調理法」は味の染み込み向上にもつながり、家庭の調理効率と満足度を高めている。

 さらに日本の乾物文化は海外でも注目されている。2024年の農林水産物・食品輸出額は初めて1兆5000億円を超え、海藻は「ブルーカーボン」として気候変動対策の観点からも評価されている。乾しいたけは欧州で高品質品の需要が拡大し、春雨など乾麺類はアジアからアフリカ・南米へ市場が広がっている。乾物は保存性や栄養価の高さに加え、健康・持続可能性・利便性といった観点から国際的に受け入れられ、日本の食文化を代表する存在として新たな価値を発揮している。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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