ティムコは24年11月期1Q赤字だが通期2桁営業増益・大幅増配予想据え置き

(決算速報)
 ティムコ<7501>(東証スタンダード)は4月10日の取引時間終了後に24年11月期第1四半期業績(非連結)を発表した。減収で赤字だった。釣用品市場がコロナ禍における需要からの反動減で在庫調整局面であることに加え、アウトドア衣料品市場が記録的な暖冬の影響を受けた。ただし通期の増収・2桁営業増益予想、大幅増配(記念配当を含む)予想を据え置いている。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。株価はモミ合いから上放れの動きを強めている。目先的には第1四半期業績を嫌気する動きが優勢になる可能性もあるが、1倍割れの低PBRも評価材料であり、下値は限定的だろう。

■24年11月期1Q赤字だが通期2桁営業増益・大幅増配予想据え置き

 24年11月期第1四半期の業績(非連結)は売上高が前年同期比6.9%減の7億39百万円、営業利益が38百万円の損失(前年同期は10百万円の利益)、経常利益が37百万円の損失(同10百万円の利益)、四半期純利益が43百万円の損失(同5百万円の利益)だった。減収で赤字だった。釣用品市場がコロナ禍における需要からの反動減で在庫調整局面であることに加え、アウトドア衣料品市場が記録的な暖冬の影響を受けた。

 フィッシング事業は売上高が5.8%減の1億71百万円で、営業利益(全社費用等調整前)が3百万円の損失(前年同期は8百万円の利益)だった。ルアー用品のフィッシングロッド(釣竿)等の販売が伸長したものの、コロナ禍におけるアクティビティとしての需要の反動減により、ルアー用品、フライ用品とも全体として販売が苦戦した。

 アウトドア事業は売上高が7.2%減の5億62百万円で、営業利益が77.9%減の9億85百万円だった。アウトドア衣料品市場が記録的な暖冬の影響を受け、防寒衣料や防寒小物の販売が低調に推移し、滞留商品の値引き販売なども影響した。

 その他(主に不動産賃貸収入売上)は、賃貸面積の縮小により売上高が13.6%減の4百万円、営業利益が16.2%減の3百万円だった。

 通期の業績(非連結)予想は据え置いて、売上高が23年11月期比5.0%増の35億74百万円、営業利益が15.0%増の1億33百万円、経常利益が15.9%増の1億37百万円、当期純利益が22.3%減の83百万円としている。配当予想は第55期記念配当5円50銭を加えて、23年11月期比5円50銭増配の17円50銭(期末一括、普通配当12円+記念配当5円50銭)としている。予想配当性向は52.0%となる。

 事業別の重点取り組みとして、フィッシング事業では、キャンプ地など他のアウトドア・アクテビティとの融合により釣り人口の拡大を促すとともに、動画配信・SNSプロモーションを活用した販売促進を強化して収益力向上を図る。アウトドア事業では、自社アウトドア衣料ブランド「フォックスファイヤー」の認知度向上と顧客数の増加を目指し、商品開発力の強化、直営店舗の事業効率化、販売チャネルの見直しなどにより収益力向上を図る。さらに、フィッシング事業とアウトドア事業の相互の有機的連携を強化して、総合力の向上を推進する方針だ。

 第1四半期は天候要因も影響して赤字だったが、通期の増収・2桁営業増益予想、大幅増配(記念配当を含む)予想を据え置いている。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。

■株価はモミ合い上放れ

 株価はモミ合いから上放れの動きを強めている。目先的には第1四半期業績を嫌気する動きが優勢になる可能性もあるが、1倍割れの低PBRも評価材料であり、下値は限定的だろう。4月10日の終値は795円、今期予想PER(会社予想のEPS33円67銭で算出)は約24倍、今期予想配当利回り(会社予想の17円50銭で算出)は約2.2%、前期実績PBR(前期実績のBPS1886円02銭で算出)は約0.4倍、そして時価総額は約27億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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