【どう見るこの株】イタミアートは続落も連続増益業績を手掛かりに売られ過ぎ修正期待の押し目買いも交錯

■EC強化と新商品計画で業績続伸

 イタミアート<168A>(東証グロース)は、前日15日に2円安の1460円と4営業日続落して引けた。イランによるイスラエルへの報復攻撃で地政学リスク懸念が高まり、日経平均株価が、290円安と反落し、東証グロース市場指数も0.78%安と4営業日続落したことから同社株にも持ち高調整の売り物が続いた。ただ取引時間中には1410円と売られ、今年12日につけた上場来安値1462円を下抜いたが、同安値から50円幅小戻して引けた。同社株は、今年4月8日に公開価格1600円で新規株式公開(IPO)されたばかりで、今2025年1月期業績は、続伸が予想され、配当も、年間20円が予定されていることを手掛かりに売られ過ぎ修正期待の押し目買いが交錯した。既上場の類似業態株に比較しても割安グループとなり、東証グロース株市場の低PERランキング・高配当利回りランキングで、ともにトップ100にランクインしていることも、見直し材料となっている。

■大型SP商材サイトの顧客数は35万を超えリピート比率は65%超

 同社の今2025年1月期業績は、売り上げ35億900万円(前期比12.8%増)、営業利益2億4400万円(同26.7%増)、経常利益2億4000万円(同8.8%増)、純利益1億6700万円(同9.3%増)と続伸が見込まれている。「商売繁盛応援企業 日本一!」を経営ビジョンにのぼり旗、幕、看板などのオリジナルの大型セールスプロモーション(SP)商材の商品企画、サイト構築、集客、販売出荷までをワンストップで提供する「キングシリーズ」などECサイトを18サイト展開しており、35万を超える顧客基盤を保有し、同顧客のリピート売上高比率が65%と高定着を示しており、EC販売によるローコストオペレーションの実現に加え、原材料価格やエネルギー価格の高騰は販売価格に転嫁し、今期も新商品のリリースを計画していることなどが要因となる。

 配当は、年間20円(前期は無配)と初配当を予定し、直近IPO株のなかでも、数少ない有配株となっている。なお同社の年間配当利回り1.36%は、東証グロース株市場の高配当利回りランキングの第79位にランクインする。また低PERランキングでも、第78位と割安グールプに属する。

■PER12倍の修正で公開価格奪回から上場来高値にキャッチアップ

 株価は、公開価格1600円を25%上回る2000円で初値をつけ、上場来高値2153円まで上値を伸ばしたが、日経平均株価が、3万9000円台で上値が重くなり、東証グロース市場指数が、続落して下値を探る展開となっていることも波及して1462円安値まで調整、地政学リスクの高まりで一時さらに1410円と下ぶれダメ押しをした。PERは12.27倍と東証グロース市場全銘柄平均の50.29倍を大きく下回って売られ過ぎを示唆しており、まず公開価格を奪回し上場来高値にキャッチアップしよう。上場来高値奪回でもPERは18.1倍となお割安にとどまる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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