【木村隆のマーケット&銘柄観察】NTNは再生が順調に進展、今期再増額が有力になる

木村隆のマーケット&銘柄観察

NTN<6472>(東1)の出直り相場が期待できる。2013年11月には131円の安値を付けている。そこから新中期経営計画「復活2014」をスタートさせ、利益を造る企業体質への変革を打ち出し見事成功に転じている。2013年3月期72億円に過ぎなかった営業利益は今期会社側計画で420億円に達する見込みだ。

決算発表以降、レーティング最上位継続、目標価格の引き上げが相次いでおり、アナリストの評価も一変してきた。12月5日に563円の年初来高値を示現、その後は利食い先行の流れとなっているが、好業績評価の動きはまだ不十分である。

同社はベアリングメーカー大手。エンジンで発生する動力を無駄なく等速回転してスムーズにタイヤに伝達する等速ジョイント(CVJ)では世界シェア2位。車輪部分に使用されるアスクルベアリングでは世界シェアトップ。機械の回転部分を支え幅広い産業分野で使われる軸受、精密機器商品なども手掛ける。

今2015年3月期は、売り上げ面では、自動車市場向けが日本、米州、中国向けが増加し補修市場向け、産業機械市場向けもいずれも好調に推移している。そのため、通期の営業利を400億円から420億円(前期比27%増)に修正した。

これは中期計画の目標値400億円を上回るもので、再生が順調にきていることがうかがえる。会社側は下期については保守的な見積もりをしている。アナリスト筋では今期の営業利益に付いて439億円(前期330億円)との見方を強めており、来期の大幅続伸をも想定している。(木村隆:日本証券新聞取締役編集局長を経て株式評論家)

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