JPホールディングスの24年3月期は売上高、各利益とも過去最高を連続更新、営業利益は中期目標を2年前倒して達成

(決算速報)
■児童獲得競争も激化、「バイリンガル保育園」など優位性の確立にも取組む

 保育園などの子育て支援施設運営の最大手、JPホールディングス<2749>(東証プライム)が5月13日の午後発表した2024年3月期の連結決算は、国策としての少子化対策が一層強化される中で、競争優位性の確立にも取り組み、売上高は前期比6.6%増加して378億56百万円となり、営業利益は同25.0%増加して45億84百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同8.5%増加して29億29百万円となった。売上高、各利益ともに過去最高を連続更新した。また、営業利益は中期経営計画の26年3月期の目標値を2年前倒して達成した。

 少子化対策が追い風になる一方で、少子化が加速する地域では、児童数の獲得に向けた競争が激化しているという現実があり、同社では、新たなサービス価値の創出と競争優位性の確立に向け、新たな学習プログラムの拡充(STEAMS保育・学童プログラムの導入など)、課外の時間を活用した習い事事業の展開(英語・体操・音楽教室など)、ネイティブ英語講師を配置した「バイリンガル保育園」の運営、「モンテッソーリ式保育園」の導入、などを進めた。加えて「マイ保育園制度」(これから子どもを産み、育てようとする方へのサポート)に取り組むなど、各地域において「選ばれ続ける園・施設づくり」としての差別化戦略を積極的に推進した。

 新規施設の開設については、計画通り保育園1園(東京都)、学童クラブ・児童館9施設(東京都8施設、埼玉県1施設)の計10施設を開設し、24年3月末日における保育園の数は209園、学童クラブは86施設、児童館は11施設となり、子育て支援施設の合計は306施設となった。

 同社グループでは、更なる成長戦略として新規事業の創出・早期収益化や既存事業の拡大に向け、M&Aを積極的に推進することで、持続的な成長を図っている。23年10月にダスキン<4665>(東証プライム)と業務提携。新規事業としては、グループ内に不動産会社「株式会社子育てサポートリアルティ」を設立し、子育て支援事業に関する不動産仲介、賃貸、不動産コンサルティングなどを展開するほか、人材紹介・派遣、外国人特定技能者の紹介事業のノウハウを有する株式会社ワンズウィルの全株式を24年2月に取得した。

 今期・25年3月期の連結業績予想は、売上高を385億28百万円(前期比1.8%増)とし、営業利益は47億51百万円(同3.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は31億06百万円(同6.0%増)を計画している。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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