【食品の値上げが2025年も加速】食品価格の高騰に歯止めがかからず、予定品目数が1000突破

■原材料高と物流費上昇が主因、食品値上げの波、収束見えず

 帝国データバンクの調査(定期調査:「食品主要195社」価格改定動向調査)によると、2024年11月の食品値上げは282品目となり、前年同月比102.9%増と11カ月ぶりに前年を上回った。2024年通年の値上げ品目数は1万3000品目以下で前年比6割減となる見込みだが、2025年の値上げ予定は既に1033品目を超え、前年同期を大幅に上回っている。

■加工食品が最多、菓子類も値上げ継続、カカオ豆高騰が追い打ち

 2024年11月の食品値上げは、前年の139品目から282品目へと大幅に増加した。正月用品やふりかけ製品、チョコレート製品など、多岐にわたる食品分野での値上げが品目数を押し上げ、平均値上げ率は16%となった。2024年通年の値上げ品目数は1万2458品目、平均値上げ率は17%となっている。

 値上げの主要因は「原材料高」が92.7%と最多を占め、特にチョコレートやコーヒー、大豆などの原材料価格上昇が影響した。また、トラックドライバーの時間外労働規制による「物流費」上昇や、プラ包装容器などの「包装・資材」費用増加も値上げを後押しした。

 食品分野別では「加工食品」が124品目と最多で、全体の4割超を占めた。「菓子」は91品目で、カカオ豆の価格高騰の影響を受け、2022年の集計開始以降35カ月連続で値上げが続いている。

 2025年の展望では、物流費や包装資材費の上昇が継続し、小麦粉の値上げによるパンや洋菓子への影響も予想される。最低賃金の引き上げに伴う人件費上昇も加わり、値下げや価格据え置きの好材料に乏しい中、2025年も値上げの継続が見込まれ、品目数は2024年を上回る可能性が高まっている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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