【木村隆のマーケット&銘柄観察】昭和電工は一時的な減益、来期からの急回復が見通せる状況に

木村隆のマーケット&銘柄観察

昭和電工<4004>(東1)が今2014年12月期の減額を背景に急落の憂き目に会っているが、ここは絶好の買い場となりそう。今回の減額は、原油・ナフサ価格の急落に伴う石化製品の市況下落・採算悪化と、ナフサの受払差損の発生による石油化学部門の赤字転落などが要因で、あくまでも一時的なものである。

それらの解消を受け、はやくも2015年12月期からの業績回復、2016年12月期の大幅躍進が見通せる状況にある。業績の先行きの暗雲が晴れるに従い、見直し人気が流入することが予想される。

同社が総合化学大手の一角を占め、石油化学分野に加えて、アルミニウム製品や、ハードディスク、化合物半導体などエレクトロニクス分野にも幅広く展開している。

現在中期計画を推進中である。そこでは事業ポートフォリオを基盤(成長)事業、成長事業、新規(育成)事業、基盤(安定)事業の4つに分類している。市場が比較的安定的に推移し、高容量品での強みを生かせるHD事業と、米国市場が好転し、需要拡大が見込める人造黒鉛電極を中心とした基盤(成長)事業を着実に伸ばす。

それとともに、成長事業ではM&Aを含めて業績拡大の加速を図っていく。このうちアルミ缶は、国内市場は飽和しているが、アジア市場は高成長を続けており、能力増強などを進めてこれに対応。半導体用高純度ガスは、半導体デバイスの生産拡大を追い風に、世界需要の8割が集中する東アジアで既存拠点の能力増強や現地メーカーとの提携・M&Aを通じてこれも事業拡大を進める方針。

それらの総合力を発揮し、前期の営業利益250億円(前々期259億円)から、来期は400億円へ続伸、来々期は450億円へ続伸の見通し。(木村隆:日本証券新聞取締役編集局長を経て株式評論家)

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