ファーストコーポレーション、25年5月期2Q累計は不動産売上好調で大幅増収増益

 ファーストコーポレーション<1430>(東証スタンダード)は、1月14日に25年5月期第2四半期累計(中間期)連結業績を発表した。大幅増収増益だった。完成工事総利益率が一時的に低下したものの、不動産売上高の計画を上回る大幅増収や、前期完成したJR前橋駅北口再開発事業の分譲による共同事業収入の大幅増加が牽引した。そして通期の大幅増収増益予想(24年12月13日付で上方修正)を据え置いた。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は戻り高値圏だ。好業績に加え、高配当利回りなど指標面の割安感も評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。

■25年5月期2Q累計大幅増収増益、通期も大幅増収増益予想

 25年5月期第2四半期累計(中間期)の連結業績は売上高が前年同期比2.0倍の272億28百万円、営業利益が2.3倍の15億64百万円、経常利益が2.3倍の15億16百万円、親会社株主帰属四半期(中間期)純利益が2.3倍の10億24百万円だった。

 大幅増収増益だった。完成工事総利益率が一時的に低下したものの、不動産売上高の計画を上回る大幅増収や、前期完成したJR前橋駅北口再開発事業の分譲による共同事業収入の大幅増加が牽引した。

 完成工事高は0.8%減の112億86百万円、完成工事売上総利益は27.6%減の7億79百万円、完成工事総利益率は2.6ポイント低下して6.9%だった。完成工事総利益率が資材価格高騰の影響などで一時的に低下した。受注高は5件合計156億29百万円だった。

 不動産売上高は6.9倍の136億68百万円だった。事業用地の販売が計画を大幅に上回った。不動産売上総利益は2.8倍の10億10百万円、不動産売上総利益率は10.6ポイント低下して7.4%となった。共同事業収入は12.9倍の21億43百万円、共同事業収入総利益は24.3倍の6億56百万円、共同事業収入総利益率は14.3ポイント上昇して30.6%となった。前期完成したJR前橋駅北口再開発事業の分譲が牽引した。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が76億92百万円で営業利益が5億64百万円、第2四半期は売上高が195億36百万円で営業利益が10億円だった。

 通期の連結業績予想(24年12月13日付で上方修正)は据え置いて、売上高が24年5月期比45.7%増の415億円、営業利益が72.0%増の25億円、経常利益が68.7%増の24億円、親会社株主帰属当期純利益が73.6%増の16億40百万円としている。配当予想(24年12月13日付で期末4円上方修正)は24年5月期比11円増配の42円(期末一括)としている。大幅増配で予想配当性向は30.6%となる。

 前回予想(24年7月12日付の期初計画値、売上高345億円、営業利益22億50百万円、経常利益21億70百万円、親会社株主帰属当期純利益15億円)に対して、売上高を70億円、営業利益を2億50百万円、経常利益を2億30百万円、親会社株主帰属当期純利益を1億40百万円、それぞれ上方修正して増収増益幅が拡大する見込みとした。

 修正後の通期の事業別計画(24年5月期比)については、完成工事高が5.4%減の208億円、完成工事総利益が10.9%減の17億40百万円、完成工事総利益率が0.5ポイント低下の8.4%、不動産売上高が4.0倍の157億30百万円、不動産売上総利益が2.1倍の13億50百万円、不動産売上総利益率が7.3ポイント低下して8.6%、共同事業収入が2.0倍の47億円、共同事業収入総利益が2.8倍の11億60百万円、共同事業収入総利益率が6.7ポイント上昇して24.7%としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は戻り高値圏だ。好業績に加え、高配当利回りなど指標面の割安感も評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。1月14日の終値は842円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS137円22銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の42円で算出)は約5.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS708円48銭で算出)は約1.2倍、そして時価総額は約113億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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