NEC、映像解析技術と生成AIを組み合わせ作業改善のアドバイスを自動で生成する技術を開発

■熟練作業者の高齢化と多品種少量生産の課題を解決

 NEC<6701>(東証プライム)は1月29日、映像解析技術と生成AIを活用し、お手本動作と実際の作業の違いを把握し、改善に向けたアドバイスを自動生成する技術を開発したと発表。この技術により、手指を使う細かな作業から体全体を使う作業まで、指導者なしで作業習熟が可能なセルフ教育を実現する。製造や物流、建設など様々な業種の作業現場で、作業品質の向上と教育コストの削減が期待される。

 近年、熟練作業者の高齢化に伴う指導者不足や、多品種少量生産の増加、労働者の多様性と流動性により、作業教育のコスト増加や作業品質の低下が課題となっている。本技術は、AIが指導者の代わりにアドバイスを行うことで、これらの課題を解決する。映像解析技術により、お手本動作と実際の作業を比較し、細かな動きの差異を検知。さらに、生成AIが差異に基づいて適切なアドバイス文を生成する。

 映像解析技術では、お手本動作と実際の作業を比較し、同じ動作が行われている区間の対応付けを行う。これにより、従来は検知できなかった細かな作業動作の差異を検出できる。また、アドバイス文を生成する技術では、映像情報に加えて骨格情報を大規模視覚言語モデル(VLM)に入力し、改善すべき作業姿勢や動作を特定。具体的なアドバイス文を生成し、該当部分の映像と共に提示する。これにより、物品の組み立て作業や箱詰め、運搬作業など、様々な業種の現場で指導者を必要としない作業習熟を可能にする。

 NECは、同技術について2025年度中に実証と製品開発を進め、2026年度内のサービス提供を目指していく。この技術の普及により、作業現場の効率化と教育コストの削減が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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