【注目銘柄】インテリックスは業績上方修正と記念増配を手掛かりに75日線水準で下げ渋る、昨年来高値奪還へ

注目銘柄

■割安放置の是正と「アセットシェアリング」第10弾の早期組成に期待

 インテリックス<8940>(東証スタンダード)は、前日3日に7円安の777円と3営業日続落して引けた。日経平均株価が、1052円安と急反落したことが波及して同社株にもポジション調整の売り物が続いた。ただ75日移動平均にタッチして下げ渋る動きを示しており、今年1月10日に発表した今2025年5月期通期業績の上方修正や創立30周年の記念配当が売られ過ぎ示唆として下支え材料視されている。テクニカル的にも、昨年11月に中間配当の配当権利落ちで683円と調整しやはり75日線を下回ったが、同安値から今年1月17日の昨年来高値910円まで33%高しており、再現期待が底流している。

■予定利回り4.8%の「アセットシェアリング」第10弾の募集の寄与も

 同社の今5月期業績は、昨年12月23日に今2025年5月期第2四半期(2024年6月~11月期、2Q)累計業績を上方修正し、その10営業日後に5月期通期業績を上方修正し、上方修正幅は、2Q累計業績も通期業績も同レベルとなった。通期業績は、期初予想より売り上げを13億5400万円、営業利益を4億4300万円、経常利益を5億500万円、純利益を3億3400万円それぞれ引き上げ、売り上げ463億6500万円(前期比8.6%増)、営業利益20億6300万円(同2.21倍)、経常利益16億9100万円(同2.78倍)、純利益12億3100万円(同2.97倍)と大きく増益率を伸ばす。リノベーション事業では、リノヴェツクスマンションの販売件数が、前期比19件増の1148件、平均販売価格が同76万円増の2875万円、ソリューション事業では、一棟収益物件の売却増や不動産小口化商品「アセットシェアリング」の販売続伸などを見込んでいることが要因となる。

 ただ、2Q累計業績の通期業績の上方修正幅が同レベルとなったことで、下期業績の伸び悩みも懸念され、株価の反応が限定的となった側面もあった。しかし例えば、昨年11月末まで9シリーズ、販売累計で94億円を組成している「アセットシェリング」では、第10弾となる「アセットシェアリング札幌Ⅱ」を昨年12月9日から今年3月21日までを募集期間に1口100万円、840口の8億4000万円の募集額の予定で募集を開始し、予定利回りを約4.8%と設定していることから早期に組成を完了し、通期業績をさらに押し上げる展開も想定される。なお今期配当は、普通配当を20円(前期実績19円)に1円増配し、創立30周年の記念配当14円をオンさせて年間34円に大幅連続増配を予定している。

■PER5倍、PBR0.5倍、配当利回り4.3%の売られ過ぎ修正に再発進

 株価は、記念配当7円を含めた中間配当17円の配当権利を落として683円と下ぶれたが、売られ過ぎ修正に今期2Q累計業績の上方修正がオンして昨年来高値910円まで33%高した。足元では、この急騰幅の3分の2押し寸前の75日移動平均線水準まで調整し下値確認運動を続けている。PERは、5.1倍と東証スタンダード市場の低PERランキングの第50位にランクインし、PBRも0.52倍、年間配当利回り4.37%と売られ過ぎを示唆している。昨年11月末からの急騰劇の再現期待を高めて再発進し、昨年来高値910円を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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