暗号資産市場、嵐の兆候か?ビットコイン、イーサリアムが急落

ビットコイン Bitcoin

■貿易戦争の影、暗号資産市場に暗雲

 世界の暗号資産市場が急激な下落局面を迎えている。アジア時間3日、主要な暗号資産の価格が軒並み下落し、市場に動揺が走った。最大手のビットコインは一時9万1441.89ドル付近まで下落し、約3週間ぶりの安値を記録。イーサリアムも24%という大幅な下落を記録し、2494.33ドルまで値を下げた。

■トランプ政権の関税政策が引き金に

 この急落の背景には、トランプ米政権による追加関税政策の発表がある。カナダ、メキシコ、中国からの輸入品に対する追加関税の賦課方針が示されたことで、世界的な貿易戦争勃発への懸念が一気に高まった。この発表を受け、投資家の間でリスク回避の動きが強まり、暗号資産市場全体が売り圧力にさらされる展開となった。

 市場関係者からは、暗号資産の値動きがリスク指標としての性格を強めているとの指摘が出ている。ペッパーストーンの調査責任者クリス・ウェストン氏は「暗号資産は週末にリスクを表現する唯一の方法である」と分析し、地政学的リスクの高まりが暗号資産市場に即座に反映される傾向を指摘していると報じられた。

■長期的には楽観視する声も

 一方で、長期的な見通しについては楽観的な見方も残る。ギャラクシー・リサーチのレポートによると、ビットコインは2025年末までに約185,000ドルに到達する可能性があるとされている。米国における現物ビットコンETFの運用資産総額は2025年に2,500億ドルを超えると予測されており、機関投資家や企業による採用拡大も期待されている。ただし、当面は地政学的リスクや経済の不確実性から、価格の変動性が高い状態が続くと見られている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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