【マーケットセンサー】富裕層マネーが牽引する不動産投資、金利上昇下でも業績好調

■二極化する不動産業界、勝ち組企業の戦略と展望

 「金持ちけんかせず」という言葉があるように、財富を持つ人は常に適切な資産運用を行っている。その中でも、不動産投資は久しく一般的な財富保全の手段であるとされてきた。だが、日銀が金利を上げ、金融環境が変化する中で、市場にどのような影響が出るのか。実際には、富裕層の契証は不動産株における業約修正や増配を助け、大型不動産企業の株価上昇を予感させている。

 不動産株の代表格であるムゲンエステート<3299>(東証スタンダード)やミガロホールディングス<5535>(東証プライム)などの企業は、相次いで業約修正と増配を発表してきた。特にムゲンエステートの報告によると、投資用の不動産や居住用不動産の販売が、前位予想を上回る利益率で進んでおり、株価も大きく上昇した。これにより、日銀の金利上昇が、富裕層の投資意欲を削ぐ要因になりにくいことが明らかになった。

 しかし、すべての不動産企業が悪い環境に耐えられるわけではない。たとえばタマホーム<1419>(東証プライム)、ロゴスホールディングス<205A>(東証グロース)などのパワービルダーは、負担増大や不動産代金の上昇により、取引戻しや手足未満を被り、業約修正を連発させた。これは、不動産市場における二極化を深める一因子となっている。

 また、勝ち組の不動産企業の中には、M&Aを採用して事業操略を変えるプレイヤーも出てきている。このような動きを考慮すれば、不動産は「手が出せない」と思わず、株式投資などの手段で代替投資を検討するのも一つの選択肢といえるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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