高市新体制、積極財政で「日本株5万円台」の現実味:物価高対策を迅速実施、市場はサプライズ株高へ

■「高市トレード」再点火へ:女性初の総裁が成長戦略に舵、防衛・先端技術へ国家投資加速

 自民党の新総裁に選出された高市早苗氏が、10月4日の初会見で「積極財政」の旗を鮮明に掲げた。ガソリンや軽油の価格を速やかに引き下げるとし、財源には税収の上振れ分や既存の基金を活用すると明言。長らくタブー視されてきた消費税減税にも「選択肢として放棄しない」と踏み込み、中低所得層にメリットがある給付付き税額控除についても、党内議論を継続する考えを示した。

 また、病院や介護施設の経営難への補正予算による支援、賃上げ税制や中小・赤字企業への支援強化にも言及。さらに、国土強靭化や経済安全保障、そして半導体・AI・量子・防衛・宇宙・エネルギーといった戦略分野への積極的な国家投資を打ち出した。政権運営では自公連立を基本としながらも、国民民主党などとの連立拡大にも前向きな姿勢をにじませ、「安定した政治」の実現に向け、首相指名前の連立協議を希望している。女性初の総裁就任は、党内外に「新時代」の幕開けを印象づける一手となった。

 この転換を金融市場が「サプライズ」として受け止めるかが注目される。市場には早くも「高市トレード」再始動の空気が漂い、週明けの株式市場では円安・株高が進行するとの見方が優勢だ。株価にはポジティブサプライズがあり、短期的には日経平均4万7000円が視野に入るとの見方が広がっており、5万円台到達も現実味を帯びつつある。女性総裁の誕生は海外投資家からも好意的に受け止められ、「変わりゆく日本」への関心が高まっている。為替はドル/円で150円をうかがう展開となり、長期金利にも上昇圧力がかかっている。一方、財政拡張による国債下落という副作用には警戒感も根強い。

 注目されるのは、恩恵が期待される政策テーマ銘柄である。防衛関連では三菱重工業や川崎重工業、IHI、インフラ分野では大林組や鹿島建設が物色される可能性が高い。半導体・先端技術では東京エレクトロン、信越化学工業、ソニーグループ、さらにエネルギー分野では核融合や再生可能エネルギー関連企業への関心が強まっている。企業経営者からは「スピード感ある政策遂行」や「現実的な安定運営」への期待も聞かれ、日銀の利上げ観測も10月については後退するとの見方がある。短期的には「祝儀相場」の色合いもあるが、新体制下における成長戦略の本気度が、今後真価を問われる局面を迎えることになるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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