「大阪・関西万博」、企業の4割超が経済効果に期待、観光需要やインフラ整備に注目

■開催地「大阪」は6割超が肯定、遠方地域は低調な評価

 帝国データバンクが全国の企業を対象に実施した「大阪・関西万博」への期待度調査では、全体の43.5%が日本経済にとってプラスになると回答した。特に開催地である大阪では62.0%、兵庫では57.9%が期待を寄せており、開催地ならではの高い関心がうかがえる。全国1,486社を対象とした本調査は、2025年4月4日から4月8日にかけて実施されたもので、今後の経済的効果に対する企業の意識を明らかにしている。

 万博に期待する企業からは、観光需要の増加やインフラ整備などを挙げる声が多く、すでに効果を実感している企業もある。一方で、期待しないとした企業は、「情報社会において万博開催が経済を大きく動かすとは思えない」「費用対効果が不透明」といった理由を挙げ、混雑や交通などへの懸念も示している。地域差も見られ、開催地から遠ざかるほど期待度は低くなる傾向である。

 企業が考える万博の経済的効果としては、「国内外の観光客の増加」(64.0%)が最も多く、「大阪・関西の知名度・イメージ向上」(34.5%)、「インフラ整備」(31.7%)が続いた。また、日本の最先端技術のPRや民間事業の活性化、投資の増加なども一定の支持を集めた。一方で、PR不足や情報発信の不徹底を指摘する声もあり、地域によって温度差があることがうかがえる。

 今回の万博は、ロボットやAI、水素、iPS細胞など日本の先端技術を広く紹介する機会でもある。こうした展示を通じ、国内産業の成長や海外への技術発信に貢献することが期待されている。また、地元の中小企業やスタートアップ企業も多数参加しており、地域経済の活性化にもつながる構図が描かれている。ただし、盛り上がりや関心の広がりには地域間格差があることから、今後はより効果的な広報・情報発信が求められる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  2. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  3. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  4. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…
  5. ■九州地盤銘柄に割安感、福証単独上場企業にも注目集まる  東京エレクトロンやアドバンテストなどの半…
  6. ■参院選で与党過半数割れ、石破政権の行方不透明に  7月20日投開票の参議院議員選挙は、大手メディ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る