バックオフィス業務に生成AIの波、約8割が活用し文書確認などで効果を実感(エイトレッド調査)

■文書確認やデータ集計で効果、一方「プロンプト入力」が活用の壁

 エイトレッド<3969>(東証スタンダード)は8月5日、バックオフィス業務における生成AIの活用実態を調査し、その結果を発表した。同調査は、DX推進を担うバックオフィス担当者110名を対象に実施されたもので、約8割が生成AIツールを業務に活用していると回答した。中でも「文書の確認・校正・チェック」における効果実感が7割近くに上り、最も多くの支持を集めた。活用の背景には、属人化やデジタル化の遅れといった業務上の課題があり、業務効率化の必要性が高まっていることがうかがえる。

 調査結果によると、バックオフィス業務における主な課題は「特定の人しかわからない業務がある」(57.3%)や、「デジタル化されていない業務に時間がかかる」(47.3%)などが上位に挙げられた。生成AIの活用では、「文書の確認・校正・チェック」(56.4%)、「データ集計・分析」(53.6%)、「データ入力・転記」(51.8%)といった業務への自動化・効率化の期待が大きく、すでに効果を感じている回答も多かった。

 一方で、生成AIの導入に伴う課題も明らかになった。「期待する結果を得るための質問の仕方が難しい」(66.7%)、「生成内容の確認に時間がかかる」(48.8%)、「使い方や研修が不足している」(32.1%)などが挙げられた。また、導入していない理由としては、「セキュリティ・機密情報漏洩のリスク」や「生成AIの回答精度への不安」がともに44.0%となり、情報管理や品質に対する懸念が根強く存在していることが示された。

 今後の展望として、AI活用の拡大を見込む声が約9割を占めた。削減できた時間の使い道としては、「他部署との連携強化」(52.7%)、「業務プロセス改善・最適化」(50.0%)、「新しいスキル習得・学習時間」(41.8%)などが挙げられ、生成AIを起点とした業務改革への意欲が高まっている。また、理想のバックオフィス像としては「人間は戦略的・創造的業務に集中」が5割超となり、今後も生成AIによる働き方改革が加速する可能性がある。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■離職率低下と顧客満足向上を実証、省人化潮流に逆行する人材重視戦略  「丸亀製麺」主力のトリドール…
  2. ■ビーム整形と出力平準化技術を融合し大気揺らぎを克服  NTT<9432>(東証プライム)と三菱重…
  3. ■航続距離650キロを実現、日野が新型FCV大型トラック投入  日野自動車<7205>(東証プライ…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  2. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  3. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  4. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…
  5. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  6. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る