【フジHDに株主提案】経営刷新とメディア再生へ、北尾吉孝氏ら各界のプロフェッショナル12名を新取締役候補に

■40年の長期支配からの脱却、ガバナンス改革とメディア事業再生へ

 米投資ファンドのダルトン・インベストメンツの関連会社ニッポン・アクティブ・バリュー・ファンド・ピーエルシーは4月16日、フジ・メディア・ホールディングス<4676>(東証プライム)に対し、2025年6月またはそれ以降に開催予定の定時株主総会において、取締役12名(北尾吉孝、北谷賢司、岡村宏太郎、堤伸輔、坂野尚子、James B. Rosenwald III、菊岡稔、福田淳、松島恵美、近藤太香巳、1田中渓、西田真澄)選任の議案を提案したと発表。提案の理由は、40年に亘る日枝久氏の長期政権下で停滞したフジテレビの現状を打破し、ガバナンス改革、不動産事業のスピンオフ、政策保有株式の解消、そしてフジテレビの放送・メディア事業の大改革を断行するためである。提案では、各界の専門家12名を新たな取締役候補として選任することを求めている。

■経営刷新と事業構造改革による企業価値向上を目指す

 提案の背景には、フジテレビの視聴率低迷という危機的状況がある。かつて「楽しくなければテレビじゃない」というキャッチフレーズで黄金期を築いたフジテレビは、長年の日枝体制の下で変化に対応できず、競争力を失ってきた。株主提案では、この状況を打破するため、まずガバナンスの抜本的な改革を掲げ、社内外から有能な人材を迎え入れる必要性を強調している。具体的には、親会社と子会社で同一の取締役が名を連ねる現状を改め、日枝体制の残滓を一掃することが求められている。

■メディア事業の再興と株主価値の最大化へ

 さらに、提案はフジ・メディア・ホールディングスが抱える構造的な課題にも焦点を当てている。放送法による外資規制という特殊な環境下で、不動産事業が放送事業に依存する構図が長年続いてきた結果、本業である放送・メディア事業の衰退を招いたと指摘する。そこで、不動産事業をスピンオフし、それぞれの事業が独立して成長できる環境を整備することを提唱している。また、政策保有株式の解消を早急に進め、得られた資金をメディア事業の改革のために使い、余剰資金を株主に還元することを目指す。フジテレビの放送・メディア事業においては、コンテンツ制作能力の再強化、新たな収益化モデルの確立、制作会社や地方局との連携強化などが提案されている。これらの改革を強力なリーダーシップで推進できる取締役候補12名の選任が求められている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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