【株式市場特集】ウォーレン・バフェット氏、日本5大商社への投資拡大を示唆

■5大商社決算発表を前に高まる投資家の期待感

 世界三大投資家の一人ウォーレン・バフェットが日本の総合商社5社への追加投資を示唆し、保有上限を緩和する姿勢を示した。同氏率いるバークシャー・ハサウエイは7年連続で円建て社債を起債している。5大商社が投資先として選ばれた理由は、過去最高の業績更新や自己株式取得の継続実施だ。5月1日、2日には5大商社の決算発表があり、業績ガイダンスや株主還元策に注目が集まる。これをきっかけに5大商社株が上昇すれば、準大手や中堅・専門商社株への関心も高まる可能性がある。市場の反乱が一段落した後の商社株買いも一つの戦略と考えられる。

■総合商社株は世界同時株安による調整幅の半値戻しをクリアし全値戻しも視野

 総合商社5社の株価は、ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」を好感し期末の配当権利取りも加わって揃って今年3月の直近高値へ11%~21%の急伸を演じ、配当権利落ちに世界同時株安への同調売りが重なって年初来安値へ20%~29%の調整を余儀なくされ、足元の前週末11日には売られ過ぎとしてこの調整幅の3分の1戻し、半値戻し水準までリバウンドした。丸紅<8002>(東証プライム)、住友商事<8053>(東証プライム)など積極的な中期経営計画を推進し業績続伸が期待される銘柄や、三菱商事<8058>(東証プライム)のように政策保有株売却の受け皿も含めて1兆円の自己株式取得を推進中のケースもある。3月期決算発表で、「半値戻しは全値戻し」も視野に再発進する展開も可能性としてゼロではなくマークするところだろう。

 総合商社株が先行高する相場環境下では、準大手商社の双日<2768>(東証プライム)、兼松<8020>(東証プライム)、豊田通商<8015>(東証プライム)などのキャッチアップも有力となる。また中堅商社では化学商社の長瀬産業<8012>(東証プライム)、稲畑産業<8098>(東証プライム)、明和産業<8103>(東証プライム)、ソーダニッカ<8158>(東証プライム)などの割安放置も目立ってくることになるはずだ。

■食品への消費税減税が政治問題化し食品専門商社株に割安修正への追い風

 商社株のなかでは世界同時株安に逆行高し、年初来高値まで買い進まれた銘柄が多数派となった食品専門商社株は外せない。コード番号順に上げると伊藤忠食品<2692>(東証プライム)、ラクト・ジャパン<3139>(東証プライム)、ヤマエグループホールディングス<7130>(東証プライム)、三菱食品<7451>(東証スタンダード)、スターゼン<8043>(東証プライム)、正栄食品工業<8079>(東証プライム)、加藤産業<9869>(東証プライム)、太洋物産<9941>(東証スタンダード)と続く。コメ、野菜、鶏卵の価格高騰が、今年7月の参議院選挙を前に政治問題化しており、仮に一部で検討が進んでいる食品への消費税減税が実現するようになれば株価と業績に追い風となるのは間違いなく、日米関税交渉で今後予想される米国の農産物輸入拡大要求も周辺材料として要注目となる。自己株式取得で株式分割の権利落ち高値追いのスターゼンや株主優待制度導入が株価急伸の起爆剤となったヤマエグループHDは、前記8銘柄のうち前期推定ベースの低PER順位でそれぞれ6倍、7倍とトップワン、トップツーに顔を出しているだけに、先行して牽引する展開も想定される。

 また番外編としてコメ関連のコメ卸の木徳神糧<2700>(東証スタンダード)、ヤマタネ<9305>(東証プライム)、コメに比べて価格優位性が強まったパン・パスタ・麺関連の製粉株のニップン<2001>(東証プライム)、日清製粉グループ本社<2002>(東証プライム)、日東富士製粉<2003>(東証スタンダード)、昭和産業<2004>(東証プライム)、鳥越製粉<2009>(東証スタンダード)、製パン株の山崎製パン<2212>(東証プライム)、第一屋製パン<2215>(東証スタンダード)、外食関連のトリドールホールディングス<3397>(東証プライム)、サイゼリヤ<7581>(東証スタンダード)なども上値追い余地を拡大しそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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