アミタHD、パラオ共和国で循環モデルの構築を加速

■「島まるごと循環」がJICA・環境省の2事業に採択

 アミタホールディングス(アミタHD)<2195>(東証グロース)は、独立行政法人国際協力機構(JICA)の「草の根技術協力事業(草の根パートナー型)」と、環境省の「令和7年度脱炭素社会実現のための都市間連携事業委託業務」に採択されたと発表した。この取り組みは、観光客の増加によって深刻化しているパラオ共和国の廃棄物問題の解決と、地域における資源循環の推進を目指すものであり、アミタHDが掲げる「島まるごと循環計画」の実現を加速させるものとしている。

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 島まるごと循環計画は、エネルギー・資源・食が循環する、島まるごと循環を目指す計画。アミタHDは、2013年からパラオ共和国において、ごみの分別回収などの実証試験を含む調査を実施し、官民連携によるコンパクトな低炭素・循環型システムの構築を提案している。

パラオ共和国は、約300の島々から成るミクロネシアの島国である。自然資源に恵まれ、観光を主要産業とするが、生活資源の多くを輸入に依存しているため、外部環境の変化に脆弱である。特にコロール州では、観光客の増加に伴う廃棄物問題や海洋汚染など、環境面での課題が深刻化している。

■JICA草の根技術協力事業

 同事業は、日本のNGO、民間団体などが、開発途上国の住民を対象に、その地域の経済及び社会の開発または復興に協力することを目的とした国際協力活動である。中でも、草の根パートナー型は、開発途上国での国際協力に豊富な実績を持っている団体を対象にしたもの、事業の実施期間は3年以内で、採択可能金額は上限1億円である。

 アミタHDでは、地域住民の意識・行動変容を通じてリサイクル活動を活性化し、2021年より展開中の「ベラウ・エコ・グラス事業」を強化することを目指している。同事業では、廃プラスチックの油化施設を活用してエネルギーコスト削減を図るなど、持続可能な循環型社会の実現に向けた活動が計画されている。

■脱炭素社会実現に向けた都市間連携事業
 日本の民間企業・研究機関などが、日本の自治体及び途上国のパートナー都市と連携。脱炭素社会形成に関する案件の発掘・形成調査や制度構築支援、人材育成などをパッケージで展開するもので、事業費は、全地域一律で上限2000万円となる。

 これはパラオの主要産業の観光分野と包括的資源循環社会システム構築事業で、省エネルギー・再生可能エネルギーの拡大を目指す。具体的には、ゼロ・カーボンシティ宣言に向けた計画の検討や、再生可能エネルギーの導入検討調査、EV車両の導入資金獲得のためのフォローアップなどを行う予定である。

 今後アミタHDは、官民連携のもと「島まるごと循環計画」の実現を加速させる意向である。持続可能な循環型社会を実現するためには、多様なパートナーとの連携が不可欠であり、同社は、地域住民や協力機関とともに取り組みを進めていくとしている。

 なお、アミタHDでは、島まるごと循環計画に賛同し、多面的に連携できるパートナーを募集している。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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