ヒーハイスト、26年3月期2桁増収・黒字転換で増配予想、直動機器のスマート生産で販売拡大へ

 ヒーハイスト<6433>(東証スタンダード)は5月15日に25年3月期連結業績を発表した。主力の直動機器の需要回復遅れなどで減収・赤字だった。26年3月期は2桁増収・黒字転換で増配予想としている。直動機器のスマート生産を実践して生産増強および販売拡大を図る方針だ。中長期的には直動機器の需要拡大が予想され、積極的な事業展開で収益回復基調を期待したい。株価は3月末の権利落ちや4月上旬の地合い悪化の影響で高値圏から急反落したが、その後は反発の動きを強めている。1倍割れの低PBRも評価材料であり、出直りを期待したい。

■25年3月期減収・赤字、26年3月期2桁増収・黒字転換で増配予想

 25年3月期の連結業績は売上高が前期比2.8%減の22億45百万円、営業利益が1億21百万円の損失(前期は1億58百万円の損失)、経常利益が1億89百万円の損失(同1億56百万円の損失)、親会社株主帰属当期純利益が2億03百万円の損失(同2億21百万円の損失)だった。配当は前期と同額の1円(期末一括)とした。

 主力の直動機器の需要回復遅れで減収となり、利益面は原材料価格の高騰、固定費の増加、棚卸資産評価損の計上などで赤字だった。親会社株主帰属当期純利益については繰延税金資産の減少も影響した。部門別売上高は、直動機器が需要回復遅れや中国市場からの受注停滞の影響で14.2%減の13億65百万円、精密部品加工がレース用部品の増加で28.5%増の6億80百万円、ユニット製品が半導体製造装置向けのステージ製品や中国の医療用分析装置等向けの球面軸受の増加で5.2%増の1億98百万円だった。

 なお全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が5億20百万円で営業利益が54百万円の損失、第2四半期は売上高が5億56百万円で営業利益が20百万円の損失、第3四半期は売上高が6億49百万円で営業利益が24百万円、第4四半期は売上高が5億20百万円で営業利益が71百万円の損失だった。

 26年3月期連結業績予想は売上高が前期比10.8%増の24億86百万円、営業利益が68百万円(前期は1億21百万円の損失)、経常利益が57百万円(同1億89百万円の損失)、親会社株主帰属当期純利益が34百万円(同2億03百万円の損失)としている。配当予想は前期比1円増配の2円(期末一括)としている。予想配当性向は36.3%となる。

 強化した生産設備の生産能力を生かした直動機器のスマート生産を実践し、生産増強および販売拡大を図る方針だ。また利益率が低い型番のスクラップ・アンド・ビルドも推進する。中長期的には直動機器の需要拡大が予想され、積極的な事業展開で収益回復基調を期待したい。

■株価は反発の動き

 株価は地合い悪化も影響して高値圏から急反落したが、その後は反発の動きを強めている。1倍割れの低PBRも評価材料であり、出直りを期待したい。5月15日の終値は371円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS5円51銭で算出)は約67倍、今期予想配当利回り(会社予想の2円で算出)は約0.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS451円86銭で算出)は約0.8倍、そして時価総額は約23億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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