サイバーエージェント、社長交代を発表、創業社長から次世代への承継体制を確立

■藤田晋氏が会長就任、山内隆裕氏が新社長へ、3年半の準備経て体制刷新

 サイバーエージェント<4751>(東証プライム)は11月14日、代表取締役会長および代表取締役社長の異動方針を発表した。創業社長である藤田晋氏のサクセッションを円滑に進め、持続的な企業価値向上を図ることが狙いで、指名・報酬諮問委員会の答申を踏まえ取締役会で決議した。正式決定は12月12日開催予定の第28回定時株主総会およびその後の取締役会で行われる見通しだ。藤田氏は代表取締役会長に、山内隆裕氏は代表取締役社長に就任する予定で、いずれも同日付となる。

 異動の背景には、創業社長の強い求心力により意思決定や事業構想の知見が本人に蓄積されやすいという構造的課題がある。同社はこれを解消し、次世代経営陣へ事業構想力や洞察力を継承する仕組みづくりを進めてきた。藤田氏は2022年春に社長交代方針を示し、16名の候補者を対象に約3年半にわたり研修や「引き継ぎ書」を用いた体系的な教育を実施してきた。山内氏はCyberZの立ち上げやスマートフォン広告市場の開拓、eスポーツ事業「RAGE」の拡大、ABEMAでの執行責任など多岐にわたり実績を積み、指名・報酬諮問委員会で満場一致となった。

 また今回の移行では、代表取締役2名体制を採り、役割分担を明確に設けず「ゼロからの社長業引継ぎ」を進める点が特徴だ。2027年には山内氏が独自の中長期ビジョンを策定し、2029年には社長業の8割を引き継ぐ目標を掲げる。藤田氏は会長就任後も責任感は変わらず、山内氏の成長を伴走する姿勢を示す。同社は「あした会議」など協働的な意思決定文化を継承しながら、先送りを排除し変革を続けることで永続的な成長を目指す。山内氏はアニメ&IP事業の拡大やグローバル展開も担い、次世代経営の核として企業価値向上を導く構えだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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