アルコニックス、26年3月期も増収増益・連続大幅増配予想、長期経営計画策定で更なる成長と効率化を推進へ

 アルコニックス<3036>(東証プライム)は5月15日に25年3月期連結業績を発表した。大幅増収増益で着地した。アルミ銅事業、半導体製造装置関連金属加工品等を中心に全セグメントが増収と好調に推移した。そして26年3月期も増収増益・連続大幅増配予想としている。実需の強い業界に注力してコスト転嫁等を推進する。なお長期経営計画2030を策定した。成長投資と株主還元を両立し、資本効率の最大化を目指す方針だ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は急伸して年初来高値を更新した。上値を試す展開を期待したい。

■25年3月期大幅増収増益、6年3月期増収増益・連続大幅増配予想

 25年3月期の連結業績は売上高が前期比12.6%増の1970億04百万円、営業利益が26.6%増の69億19百万円、経常利益が38.2%増の75億28百万円、親会社株主帰属当期純利益が200.7%増の48億05百万円だった。配当は前期比19円増配の74円(第2四半期末32円、期末42円)とした。配当性向は46.5%となる。

 大幅増収増益で着地した。ニッケル市況低迷等がマイナス要因だったものの、アルミ銅事業、半導体製造装置関連金属加工品、メッキ材料等を中心に全セグメントが増収と好調に推移した。なお特別利益では投資有価証券売却益が6億05百万円増加した。特別損失では退職給付制度移行損3億23百万円を計上したが、一方で貸倒引当金繰入額が6億09百万円減少、事業構造改善費用が5億98百万円減少した。
 
 セグメント別経常利益は、商社流通の電子機能材事業が28.4%増の22億35百万円、商社流通のアルミ銅事業が63.9%増の4億92百万円、製造の装置材料事業が68.6%増の16億10百万円、製造の金属加工事業が31.4%増の32億41百万円だった。

 電子機能材事業は半導体関連取引、電池関連取引、レアメタルスクラップ取引などが牽引した。アルミ銅事業はアルミおよび銅の地金・スクラップ取引の好調等が牽引した。装置材料事業は北米のメッキ材料やカーボンブラシの収益率改善が牽引した。金属加工事業は半導体製造装置関連加工品や二次電池用部品等の増収に加え、銅プレス加工品の収益率改善も寄与した。

 なお全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が458億50百万円、営業利益が18億02百万円、経常利益が20億78百万円、第2四半期は売上高が498億01百万円、営業利益が16億49百万円、経常利益が19億52百万円、第3四半期は売上高が511億76百万円、営業利益が19億73百万円、経常利益が13億26百万円、第4四半期は売上高が501億77百万円、営業利益が14億95百万円、経常利益が21億72百万円だった。

 26年3月期の連結業績予想は売上高が前期比9.1%増の2150億円、営業利益が27.2%増の88億円、経常利益が8.9%増の82億円、親会社株主帰属当期純利益が12.4%増の54億円としている。配当予想は前期比10円増配の84円(第2四半期末42円、期末42円)としている。連続大幅増配で予想配当性向は46.9%となる。

 26年3月期も増収増益・連続大幅増配予想としている。実需の強い業界に注力してコスト転嫁等を推進する。なお長期経営計画2030を策定した。成長投資と株主還元を両立し、資本効率の最大化を目指す方針だ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は急伸して年初来高値を更新した。上値を試す展開を期待したい。5月15日の終値は1704円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS179円02銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の84円で算出)は約4.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2327円12銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約529億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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