ELEMENTSが急反発、同社グループのLiquidがpovoにICチップと顔認証によるオンライン本人確認サービスを提供

■生成AI悪用への対策強化、携帯契約の安全性向上へ

 ELEMENTS<5246>(東証グロース)は6月6日、167円高(15.80%高)の1224円(10時20分)まで上げて急反発している。同社グループのLiquidが開発した「LIQUID eKYC」が、KDDI<9433>(東証プライム)と沖縄セルラー電話<9436>(東証スタンダード)が提供する「povo2.0」の新規契約におけるオンライン本人確認手段として導入されたと発表。このサービスは、従来の書類撮影方式に加え、マイナンバーカードのICチップを読み取る方式と顔認証を組み合わせた新たな本人確認手段である。これにより、成りすましや偽造書類への対策が強化され、本人確認の厳格性が大きく向上する。

 近年、携帯電話を悪用した特殊詐欺が深刻化しており、警察庁によると2024年の特殊詐欺の認知件数は20,987件と前年比10.2%増、被害額は721.5億円で過去最悪を記録した。契約時に使用される偽造書類やディープフェイクの精度が高まる中、ICチップ読取と顔認証を組み合わせた仕組みが、こうした不正の抑止につながることが期待されている。信頼性の高い本人確認手段の整備が急務となっていた。

 Liquidは既にLIQUID eKYCを通じて、グループ累計約1.3億件の本人確認実績を有しており、今回の導入に際してもその高い技術力とユーザーインターフェースの評価が背景にある。導入された確認方式は2種類あり、自撮り画像とマイナンバーカードのICチップ情報を照合する「携帯法ニ方式」と、JPKIによる公的個人認証を活用する「携帯法チ方式」がある。今後も通信契約の本人確認は、より安全性と利便性を両立させる技術の導入が進む見通しである。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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